夜行で訪れたい近郊地
【黄山】
72峰を連ねる黄山は、中国のあらゆる名山の魅力をすべて兼ね備えると言われる。その景観はまさに山水画の世界で、世界遺産にも登録されている。
山中で1泊するのが一般的なコースだが、ロープウェイを使えば、朝に麓を発ってその日の内に麓まで戻れる。
夜行列車で行くと、朝9時半頃には黄山駅に着くため、そのままタクシーかバスで麓まで行けば(所要90分ほど)、日中ゆっくり登山を楽しめる。
上海へ戻る際も夜行列車を利用するなら、翌日もたっぷり風景を楽しみながら下山できる。また、飛行機を使えば、その日のうちに上海帰ることもできる(所要1時間ほど)。
【鄭州】
殷・周など古代王朝の城壁跡や、黄河の雄大な眺めを楽しめる鄭州は、黄河の南岸に位置する河南省の省都。近くにある少林寺を訪れてのカンフー参観も一般的で、さらに足を伸ばせば、竜門石窟で知られる古都・洛陽(鄭州から1時間半ほど)も併せて観光できる。
古くから交通の要衝であり、各地の鉄道路線が集まっている。中国を列車で旅するなら、一度は通る街だろう。上海からの列車も、昼夜を問わずかなりの本数がある。ただし、便ごとに所要時間が大幅に異なるので注意。今年4月から導入された新型路線「動車組」(夜行はない)なら所要6時間ほどだが、遅い便なら16時間以上かかる。
【温州】
楠渓江、南鹿島などの風光明媚な自然保護エリアが多い温州。特に雁蕩山は名高い観光地で、「海上名山」、「東南第一山」と呼ばれ広く親しまれている。
また、温州は「華僑の里」とも言われ、30万人以上の華僑を世界60カ国以上に送り出した貿易港でもある。特に、イタリアやフランスへの移民が多く、その関連か、靴工場、靴屋が多いことでも有名。
上海からの列車は日に3便あるが、左記以外の1便(N437/N440)は、深夜12時半に温州着なので注意しよう。
なお、夜行の旅では、行き帰りで硬臥と軟臥を乗り分けてみるのも面白い。往復も楽しめるのが、夜行の醍醐味なのだ。
上海からの鉄道路線図
~上海ジャピオン5月25日発行号より