靴は6足以上が最多
ヨウヘイ大変身の前に、まずはマーケティング会社
「Embrain Infobridge China Co.LTD」が、
上海に住む20~40代男性対象に行った、
美に関するアンケート調査の結果を見ていこう。
オシャレの基本・服に関して、「1カ月当たりかける金額」(グラフ①)は、
「500元以下」が半数を占めたものの、
「1001元以上」使う人も22%と、少なくなく、
上海人男性のオシャレ関心度の高さが伺える。
続いて「よく行く買い物エリア」(表①)は、
1位が「徐家匯」、2位が「静安寺・南京西路」、
3位が「人民広場」と回答。百貨店が建ち並ぶ市内中心部で
買い物をする人が多いようだ。
また、〝オシャレは足元から〟の「靴の数」(グラフ②)は、
「6~20足」が52%、「3~5足」が44%という結果に。
用途別やシーズンごとに使い分けるとしても、
決して少なくない数だ。
そのほか、「理髪店・美容院」に通っている人が89%で、
うち、76%が「1カ月に1回」。
「1回当たりの利用金額」(グラフ③)は、
「51~200元」が52%という結果から、
月当たりの理美容代の相場がわかる。
さらに、「化粧水や乳液などのスキンケア用品」は、
48%が利用しており、メーカーは、「ニベア」、「ロレアル」、
「コーセー」、「資生堂」、「メンソレータム」といった
日本でもお馴染みのブランドのほか、
中国メーカー「大宝」などが挙げられた。
また、「お気に入りのヘアケア剤がある」男性は47%で、
P&G社の「ヴィダルサスーン」と
「ヘッド&ショルダーズ」の支持率が高かった。
さらに上級部門となる「エステサロン」には30%、
「ネイルサロン」には8%が通ったことがあると回答。
女性色が強かった美容への戸口は
確実に男性の前にも開かれ始めている。
それでは、次ページからは、以上の結果を参考にしつつ、
ヨウヘイの大変身計画を実行する!
改造当日の朝、ヨウヘイは、たるたるのVネックに、
スカーフ付き(?)カーディガン、半端丈パンツ、
靴ひもの切れたスニーカー、寝癖のついた髪…と、
取材班の予想を裏切らない恰好で現れた。
その姿を見て、取材班の改造魂に一気に火が付く。
一部の女性の間では、「男は髪型が8割」
という見解もあるようだが、
やはり主軸はファッションだと考える取材班は、
まず、服など各種ファッションアイテムが
格安で購入できる卸売市場・七浦路へヨウヘイを連行した。
春らしく爽やかカラーで
初めて七浦路を訪れるヨウヘイは、すでに異常なテンションで、
何を勘違いしたのか、「まずは腹ごしらえ」と米粉で作った
ピリ辛冷麺「涼皮」を啜り始めた。
食べ終わるのをイライラしながら待った後、
一行は、シャツ売り場へと向かった。
「これどうっすか?」とヨウヘイが手にしたのは、
ガチャガチャと柄がうるさいデザインシャツ。
「柄に頼るから子どもっぽくなるんだよ」と、
先ほどのイライラのせいか
女性陣からポロッと本音が出るのだった。
取材班は、ヨウヘイの意見をスルーし、
白、水色、デニムシャツを順に着せていく。
1番春らしいということで、淡い水色シャツの値段交渉に。
店主の言い値は140元だったので、
90元をゴール価格(買いの価格)に設定。
しかし、頑として120元までしか譲らないので、
最終手段、「紙面で店を紹介するからお願いっ」と頼み込むと、
100元で交渉成立。
幸先好調だ♪
女性もビックリ30インチ
次に探しに向かったのは、適度に細見のパンツ。
購入の意思を見せると、店員がメジャーで腰回りを計測…。
サイズは、ナ、ナント30インチ!?
女性取材陣を敵に回した瞬間だった。
気になるチノパンを見つけたヨウヘイが試着してみるが、
ポケットの形がダサい。
取材など仕事でもヘビロテしてもらいたいので、
少しキレイ目ラインのものを探していく。
何着か試着を重ねた上で、シンプルなチノパンと
濃い目のデニムパンツをチョイス。
さて、お目当てのパンツの価格は1着120元。
「2着買うから(1着はヨウヘイの自腹)」とお願いするも、
店主は「うちは値下げしない」と強気。
こちらも負けずに「100元で」とジッと見つめる…。
すると、根負けしたか100元でOKに♪
「目は口ほどに物を言う」ではないが、
相手にこちらの強い意志を伝えるには、
目で訴える方法は使える(女性限定?)。
もう1足の靴は自腹購入
さらに、「オシャレは足元から♪」の靴選び。
どれがいいかなと悩むこと30分。
「優柔不断な男はモテないよ」と一喝され、
ヨウヘイが探してきた靴はグリーンとベージュのデッキシューズ。
取材班が事前に他店の相場をチェックしていたので、
260元の靴を80元で購入することに成功した。
予想以上の収穫に大満足の取材班は、
通りすがりの店でもマリンブルーの素敵な靴を発見する。
改造用の靴は購入済みだったが、こちらのデザインも惜しい。
そこで、企画外ではあるがヨウヘイに自腹で購入してもらうことに。
お値段は交渉の末、80元也。
店主となぜだか記念撮影
美容院の予約時間まで少し時間を持て余した取材班は、
隣のメガネ屋に立ち寄ることに。
店内に並ぶメガネを手当たり次第試し、
「買うの? 買わないの?」と、店員に相当厭な顔をされた末、
伊達にも本物にも見える赤紫色のメガネを20元で購入。
最後にヨウヘイと店主のツーショット写真を撮影の後、
一同は次の目的地へ場所を移した。
七浦興旺服飾市場
住所:七浦路168号(×河南北路)
営業時間:6時半~18時半
アクセス:軌道交通10号線「天潼路」駅から徒歩1分
小栗旬にしてください
さて、いよいよローカル美容院へ。
服を一新し、気分はすっかりモテ男のヨウヘイ。
上々気分でシャンプー台に向かう。
今回担当してくれるのは、美容師歴11年の胡さん。
ヨウヘイがシャンプーをしている間に、
取材班は勝手に小栗旬の写真を見せ、
「こんな感じで♪」とお願いする。
戻ってきたヨウヘイの髪質をチェックした胡さんは、
「アフリカ人以外でこんな強い天パは初めて」
と驚きの表情を見せ、「小栗旬はちょっと…」と言葉を濁す。
ヨウヘイは「そうですよねー」と残念がるのだった。
髪質と面長の顔を考慮しながら、サイドとバックを軽めに仕上げ、
ブローで前髪を伸ばしていく。
最後に、ワックスでスタイリングして完成。
ヨウヘイは、「いいっすね~!」とご満悦だ。
今回、カット+ブローに加え眉毛カットもしてもらい、合計75元。
コストパフォーマンスは◎。
湯上りたまご肌に変身
「指先までケアできてこそ、真のビューティー男子」
ということで、続いてネイルサロンへ。
「昔、韓国人の彼女にやってもらったことがあるんっすよ」
と意外にも初めてではない様子だ。
ヨウヘイの過去の恋愛話は無視して、
取材班はネイルチップを眺めるのであった…。
そして、〆はエステサロン。
最近、吹き出物が出て、肌の調子が芳しくないヨウヘイ。
初のフェイシャル体験にドギマギしながらも、
終えた頃には、「湯上りたまご肌の桃井がね~」と、
モチモチ肌に上機嫌で化粧品のCMのモノマネを始めた。
最後にイラッとしたものの、改造計画は無事終了に至ったのだった。
金太子形象設計
住所:浙江中路158号(×福州路)
TEL:6322-4900
営業時間:10時~22時
卡彤(Katong)
住所:南昌路153号(×茂名南路)
TEL:5465-3321
営業時間:11時半~21時半
NNE
住所:南丹東路188号久隆大厦(×天鑰橋路)
TEL:5424-9813
営業時間:9時半~21時半
〝モテキ〟はすぐそこ?
上々の反応にやる気十分
上海市内では桜が咲き乱れ、春本番だというのに、
机の上には韓国人俳優イ・ビョンホンの写真を飾り、
筋肉を鍛えることしか頭にないヨウヘイ。
昨年、彼女と別れてから、浮いた話を聞かない彼を心配しての(?)
改造計画であったが、本人の感想やいかに?
「女性に服を選んでもらう経験自体なかったので、
新鮮でしたね。いい記念になったのはモチロン、
改造後の完成度にも大満足です。
この間、この恰好で取材に行ったら、
先方の女性スタッフに素敵ですねって褒められましたし、
SNSに写真をアップしたら、友達の反応も上々でした。
上海でもオシャレメンズが増えてるみたいですし、
僕も頑張らないとですね。よし、春よ〝恋〟!」
~上海ジャピオン2013年4月12日号