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中国の免許証に書き換え

中国で自動車を運転するには、中国の運転免許証「機動車駕駛証」が必要となるが、もし手元に日本で取得した有効期限内の免許証があれば、手続きはそう難しくない。日本の免許証を、中国語に翻訳し、筆記試験を受けるだけ。日本のように教習所に通って、一から学科や実技教習などを受ける必要はなく、実技試験も免除される。取得できるのは、自身の日本の免許証と同じ条件のもので、日本のMT(マニュアル・オートマ限定なし)を所持していればC1、AT限定(オートマ限定)ならC2となる。

必要となるのは、「外国人居留許可証」が貼り付けられたパスポートと日本の運転免許証(ともに残り3カ月以上の有効期限内であること)。まず「上海市外事翻訳工作者協会」に行き、日本の免許証の中国語翻訳書を作ってもらう。その後「上海市公安局交巡警総隊車輌管理所」にて必要書類を提出して取得申請の手続きをすると、学科試験の予約ができる。なおこれら申請手続きの代行サービスを請け負う業者もあるが、手数料を含め1000元ほどかかるのに比べ、自分で申請する場合は合計200元ほどで済む。

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最初に必要なのはこの2点

日本の免許証がない場合

もともと日本で運転免許証を取得していない人は、現地の運転教習所「駕校」に通い、運転についての知識を学ぶとともに教習を受けなければならない。市内には300校近くの教習所があり、学費は小型自動車の場合、教材や試験の受講料も込みで7000~8000元といったところだ。教習所は閔行区や楊浦区など市中心部から離れた郊外にあることが多く、教習所によっては週末コースや短期コースも用意している。閔行区龍茗路603号の「通略駕校」では外国人の生徒も受け入れており、入学の場合はパスポートが必要となる。

授業はもちろん中国語で行われ、場内教習や路上教習が主だ。場内教習では、日本と同じように右左折にバック、S字カーブや縦列駐車などの技能を習得する。
試験は「交通法規及び関連知識(科目1)」、「場内実技試験(科目2)」、「路上試験(科目3)」、「安全とマナーに関する試験(科目4)」のすべてに合格しなければならず、授業と試験を合わせ、卒業するまでに半年はかかると言われる。

また、国際免許証についてだが、中国はジュネーブ条約に加盟していないため、中国香港特別行政区及び中国マカオ特別行政区を除き、大陸では使用できない。国際免許証には中国語の翻訳文も記載されるが、無効とのこと。

それでは次ページより、申請~免許証取得までの過程を順に追って見にいこう。

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中国の自動車学校での教習風景

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申請から試験日予約まで

それでは、日本の免許証を上海のものに書き換える手順から説明しよう。取材班が最初にやって来たのは、北京西路にある「上海市外事翻訳工作者協会」(写真①)。ここで、日本の運転免許証を中国語に訳してもらう(写真a)。市内で翻訳書を作ってもらえるのはここだけだ。料金は1部50元で、約10~15分で出来上がる。申請の前には、日本の運転免許証が有効期限内であるかを必ずチェックしておくこと。

翻訳書を手に入れたら、日本の運転免許証とパスポート及び臨時居留許可証の原本を持って上海動物園近くの「上海市公安局交通警察総隊車輌管理所」(写真②)へ。以前は沁春路の「上海市公安局交通警察総隊車輌管理所」で申請を受け付けていたが、2010年より現住所に移ったのでお間違えなく。順序は、まず左手奥の10号棟へ。ここで必要書類がチェックされ、撮影代25元を支払った後、写真撮影(写真③)。お次は、同施設入り口左手にある12号棟で写真を受け取り、「運転者身体状況証明(機動車駕駛人身体条件証明・写真b)」と「健康検査記録表(上海市学習駕駛員健康検査・写真c)」に必要事項を記入。書き終えたら写真を貼り、同じ棟の奥にある窓口で提出し、身体検査代60元を支払う。

その後、12号棟の左奥にある体験科室にて検査を受ける。身長や体重のほか、視力、背筋力、握力、色覚など全部で9項目を検査する(写真④)。何も問題なく検査を終えた取材班は、1号棟へ試験日の予約に向かった。まず1階入り口の受付で番号を受け取り、2階でパスポートなど必要書類のコピーをもらう。そしてそのまま奥の部屋に入り、自分の番号が表示されている窓口へ。取材班が予約した時には、もう1カ月後以降にしか空きがなく、受験者数の多さが窺い知れず(写真⑤)。

過去問で試験対策

さて、この試験問題だが、今年より試験内容を提供しなくなったため、自分で集めなければならない。インターネットで過去問や模擬試験などを閲覧できるのでぜひ活用してみよう。特に運転初心者専門サイト「駕照考試一点通2013」(mnks.jxedt.com)では、中国語のみではあるが安全知識や交通標識関係などカテゴリー別に、試験問題が紹介されているので大いに役立つ。また、試験は日本語での受験も可能で、「百度(バイドゥ)」などで「駕照 日語」で検索すると、2010年以前のものであれば日本語版の問題集もヒットする。ただ、罰金額や懲罰期間など数字が過去の規則に基づくものだったり、問題文の日本語が不自然だったりするので気をつけたい。

試験問題は選択式で、ほとんどが前述のサイトで紹介されているので、問題文&解答を丸暗記するのも方法だろう。日本の運転知識だけでも答えられる箇所はあるが、中国は右側通行で、補助信号機のない交差点では赤信号でも右折可や、高速道路の法定最高制限速度は120㌔など、日本と異なる部分を重点的にチェックしておこう。

試験は100点満点中90点以上で合格となり、不合格の場合、日を改めて試験に臨むことになる。試験代は1回40元。また、85~89点で不合格となった場合、ほかの受験者より優先的に再受験でき、状況次第で翌日や翌週にも受けられる。

難関? 90点以上で合格

さて、いよいよ受験日となり、準備万端? の取材班だったが、いざ受けてみると、あえなく全員不合格。80点以上で非常に惜しいところまでいったのだが、あと一歩届かず。みんなそれぞれ再試験申請をした。うち1人の男性編集部員は、2回連続で89点を取るという非常に残念な思いをしたが、5回目で見事合格! その後2階の窓口で免許証発行料10元を支払い、めでたく中国の運転免許証をゲットしたのであった(写真⑦)。

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市内に1000軒以上

いざ運転! となると最もお手軽なのがレンタカーの利用だろう。市内には、1000店以上のレンタカー営業所があり、「神州租車」や「和諧租車」など中国国内のレンタカー会社のほか、世界的に展開している外資系レンタカー会社もある。

借り方は日本とほぼ同じ。まず、ネットあるいは電話で希望日の前日までに車を予約し、指定の店舗まで取りに行く。レンタル当日は身分証明書と中国の運転免許証、クレジットカード(またはデポジット約5000元~)を準備しておくこと。料金も日本と同様で車種によって異なるが、一般に中国のローカルレンタカー会社を利用すると、セダンタイプで1日当たり150~200元前後が相場となる。(ベンツやアウディなど、高級車を除く)。

車を選んだら、契約書類を作成し、これに不備がなければ、車を貸し出してもらえる。返却時は、ガソリンを満タンにしておくのが鉄則で、満タンにせずに返却すると、ガソリン不足分+サービス料を請求されるので注意しておきたい。その後、車に損傷がないかチェックを受けた後、支払いをして完了だ。

日本語対応の会社も

また、営業所まで赴く時間がないという人は、手数料を支払えば、ネットで予約して車を持ってきてもらい、使用後は引き取りに来てもらうことも可能だ。手数料は、距離に応じて計算される(1回100元~)。ほとんどの店は中国語対応のみだが、「一嗨租車」や「安飛士」などは英語専用のダイヤルもある。また、日本語以外は不安だという人は、「レスキュー上海」や「KINKI」といった日本語対応のレンタカー会社もあるので、そちらの利用がオススメだ。さあ、車の借り方がわかったら、週末に早速出かけてみよう!

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~上海ジャピオン2013年11月22日号

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