①家常小炒便当
「家常」というだけあって、まさしく家庭で日常的に食べられていそう。
特にキャベツの炒めは、ベーコンの香りに食欲をそそられる。
鶏のピリ辛炒めもシンプルで、見た目ほど味が強くない。
特別感はないが、鉄板的なおかず2品で可もなく不可もないと評しておこう。
②椒塩魚排便当
今回紹介する中で、この弁当だけが唯一魚を使っている。
それも塩コショウしただけの鱈フライなので、淡水魚を食べ慣れない日本人にも親しみやすいと言えよう。
ただし、パッケージごとレンジにかけると、フライの衣が大分しっとりしてしまうのが難点。
環境が整っていれば、フライだけオーブントースターにかけたいところだ。
おかずのカニ玉がトロ~リ卵でおいしい。
③招牌双拼便当
〝双拼〟とは、2つのものを合わせることを指す。料理の場合、2種類のおかずを1皿に盛ることを意味することが多い。
この弁当での〝双拼〟は、鶏手羽の乗ったミックスベジタブルピラフと、肉味噌を和えた炸醤麺。
いずれも味が薄めなのと、鶏肉の色が少々キツいということで、ジャピオン社員有志による試食班からはあまり好評が得られなかった。
④宮保鶏丁飯
日本にある中華料理店でも定番メニューとされる四川料理の1つ、鶏とナッツのピリ辛炒めをメインにしている。
しかしながら日本で食べるそれよりも数倍辛く、辛いものが苦手な人にはオススメできないレベル。
欲を言えば、もうちょっと酸味が効いているとなお良い。
隣に付け合わせた麻婆茄子も、しっかりした味付けで高評価。値段も安いので、週1で食べてもいいとの意見も。
①茄汁嫩鶏蛋包飯
トマトソースのオムライスに、カツをトッピングしたもの。
往々にして弁当のオムライスは、薄く固めに焼いた卵に覆われているが、これも例に漏れず。
チキンをご飯に混ぜ込まず、カツにして乗せたことで、香ばしさが増して◎。
ソースと卵は、一緒に食べると中華料理のトマト卵炒めっぽい味がする。
ちなみに名前に入っている「嫩nen4」とは、柔らかいの意。
②扇貝什錦烩飯
ホタテと粉絲(シラタキ)をニンニクのみじん切りで炒め煮にした〝ぶっかけご飯〟。
カニカマやコーン、グリーンピースなどレトルトっぽい食材も入っている。
ニンニクとホタテのダシがシラタキによく絡み、ご飯が進む。
味も濃い目なので、中高年男性がビールと一緒に食べそうなイメージ。
「什錦」は「五目」、「烩」は炒めた後水と片栗粉を加え煮たものを指す。
③水煮牛肉烩飯
見た目が醤油煮込みっぽいので騙される。
ひと口食べて感じられるのは、鼻からスゴイ勢いで抜けていく山椒の香り。
山椒好きな人にはたまらない一品だが、そうでない人には嫌われるかもしれない。
辛味はそれほど強くなく、食べやすい。
④糖醋排条滑蛋鶏肉双拼飯
酢豚と、鶏と卵の炒めによる2色丼。
甘酸っぱい餡かけのかかった細切り肉のカツ、ふわふわに焼いた卵、いずれも日本人の舌になじみやすい。
卵は薄めの味付けなので、余った酢豚の餡と混ぜても良い。
動物性蛋白質の多いメニューではあるが、付け合わせの野菜炒めでバランス良くまとめられている。
⑤番茄牛肉撈飯
牛肉入りトマトリゾット。
レンジで3分チンしたところ、リゾットというよりも雑炊っぽい食感だったのでさらに1分チンしてみた。
甘みが強めだが、中華が多い弁当ラインナップの中でイタリアン風の味を楽しめる。
トマトはさらっとしたスープになっていて、食べやすい。
名称の「撈飯」は広東の蒸しご飯のことだが、この弁当との関連性はなさそう。
⑥辣子鶏丁飯
これも中華の定番、鶏コマ揚げと鷹の爪を合わせて炒めた料理。
辛さがビリビリ来るが、付け合わせのジャガイモとニンジンの細切り炒めも負けず劣らず辛く、辛いもの好きの欲求を見事満たしてくれる。
ご飯も粘りのある日本人好みの炊き加減で、試食班大絶賛の弁当。
⑦芝士咖喱猪排飯
ジャピオン社内で「ファミマのカツカレーおいしいんですよ」との噂が流れていたので、今回真っ先にチョイス。
カツの上にぺらんと乗ったチーズが、レンジで3分温めると溶け出す。
しかしカレールーがかなり甘めなので、チーズで緩和することもなかろうに、と思ってしまう。「カレーの王子様」が好きな人向け。
ルーにはミックスベジタブルと大量のタマネギが入っており、レトルトにしては具が多め。
ちゃんと福神漬けが付いているのがニクイが、量が少ないのが玉にキズ。
⑧茄香嫩鶏木耳肉絲双拼飯
試食班の5人中4人が「一番ウマい!」と褒め称えた2色丼。
マッシュルームと鶏肉、チンゲンサイの炒めに、キクラゲと細切り肉の炒めがどちらも絶妙な塩加減なうえ、素材の味がしっかり感じられる。
特にキクラゲ炒めに入ったタケノコとチンゲンサイは「野菜を食べた!」という満足感を与えてくれる、コンビニ弁当としては珍しい1品だろう。
①香麻嫩雞飯
あっさりとした塩味に油断すると、大量の濃厚な山椒がパンチを効かせる。
ボクシングで言うところの〝フェイント&ボディブロー〟といったところか。
ザク切りのニンジンにキクラゲ、チンゲンサイ、おまけに豆腐と、具材も八宝菜並みの豊富さなのがうれしいところ。
これに限らないが、ぶっかけ丼の類はすべて、片栗粉でとろみをつけてある。
②咖喱奶酪焗飯
パッケージにも「チーズカレードリア」と書いてあるように、これも数少ない洋食弁当。
チーズはまんべんなく全面に乗せられているが、温めてもあまり溶けないのが不評だった。
ご飯はしっかりカレーソースが絡んで柔らかく仕上げてある。
スパイスがもうちょっと効いているといい。
③炸鶏茄汁蛋包飯
ファミマのとは異なり、ふわとろかき卵をケチャップライスに乗せたオムライス。
試食班曰く「コンビニ弁当でこのふわとろ感はかなりすごい!」。
チキンはライスに混ぜ込まず、和風の味付けの唐揚げにしてプラスしてある。
甘めのソースも、どことなくデミグラスっぽさが漂い本格的。
④奥爾良鶏排蓋澆飯
その名も「オルレアン・チキン・ライス」。
オルレアンってあの、ジャンヌ・ダルクの? フランスの、ワインビネガーの産地で有名な所? じゃあコレ、ワインビネガーソース使ってるの?
…などと色々考えさせられるも、食べてみれば割と普通の中華風チキンカツだった。
パッケージに書かれた原材料にも、ワインビネガーの文字はない。
ジャガイモ&インゲン炒めは見た目より薄味で、添えられた福神漬けにもよく合う。
⑤水煮肉片飯
モヤシにハム、キクラゲ、インゲンにタケノコと豚バラ肉の具だくさん丼弁当。
これも山椒が、かな~~~り効いている。
汁は多くないが、ご飯の1粒1粒まで味が行き渡り、おいしくいただける。
麻辣烫好きの人には特にオススメしたい。
⑥鉄板烤鶏花式盒飯
おかずが5種類も入った、日本の「幕の内」的弁当。
「花式」は「色んな種類の」、「バラエティ豊か」といった意味合いを示す。
大根の煮物は和風ダシの味、鶏の照り焼きも日本風のバーベキューソースが絡む。
湯葉の和え物は歯応えが強く、ゴマダレの塩が薄く、寝ぼけた味。
もうちょっとお湯に浸して戻してから、和えた方がいいかもしれない。
⑦辣子鶏花式盒飯
まず、大ぶりの鶏肉を使った辣子鶏に満足。
カニカマとキュウリの卵炒めが、トウガラシで痺れた舌を癒す。
漬物は雪菜(高菜の1種)で、強い酸味と塩味がバシッとアクセントを与える。
こちらも前述の薄味ゴマドレ湯葉が大量に入っていたので、試食班はすっかり飽きてしまった。
⑧韓式烤肉飯
最後にとっておきのお弁当を紹介しよう。
実はこれこそ、今回の試食班全員が言葉を惜しまず褒めちぎった弁当だ!
「韓式」、つまり韓国風焼肉弁当なわけだが、焼肉のタレがもう、日本人なら子どもの頃から食べ慣れた味そのもの。
それが肉にもご飯にも染み込んで、最後の1粒まで残すことはないだろう。
添えられた昆布も海苔の佃煮を髣髴とさせ、ご飯のおかずにピッタリ。肉は脂身も多いが、身が厚くて食べ応えもしっかり。
これだけの数の弁当を試食してもなお「また食べたい」と思わせられた。