エブリバディ、ナイストゥーミーチュー! パストはマイブラザーが世話になったようだな。
オレはそんなニューリッチマン…いわゆる成金男な兄とはディフェレントで、オールドエイジにレディすべく、マネーをセーブしてるんだ。
もちろんマイホームだって、アイツみたいなハイクラスはチョイスしない。本当の意味でのエコってのは、こういうことさ。
さて、ビフォー置きはこれくらいでいいだろう。そんなオレがピックアップしてきた、近代の上海とは思えないプチプライス物件を見ていくとしようじゃないか。
バスとベッドさえあれば
まずは今回見た中で、一番チープでスモールなルームだ。8平方㍍って4畳半にも満たないぞ。な、なんだ…? 窓のハーフ以上が、バスルームに塞がれちまってるぞ。
ホット・ウォーター・マシンは最新のものにチェンジしたばかりのようだし、ウォールもニューだ。なのになぜ、トイレットのウォーター・タンクにフタがない…。
収納はまずまず、ってとこだな。しかしこのバスルームをあと10㌢スモールにすれば、ベッド横もウォーキングがイージーになるのに…。
いや待てよ、アルコールをドリンクしすぎて帰った日には、気持ちがバッドになったらそのままトイレットへ直行できる…。なるほどな、エアコンもやたらと低い位置にあるし、収納スペースもベッドの上だ。
こりゃバスルームとベッドがライフで最もインポータントって考え方か。
だがマートンでもあるまいし、バスルーム中心のライフなんて御免だぜ! ってパーソンにはリコメンドできないな。
学生時代にバック
さあお次は、旧フレンチ街のオールド房子だ。
こういうアパートメントって、オールドでグッドな趣きがあっていいよな。ただ内装もリフォームされてなくて、大分ヒストリーを感じさせる場合が多いから、そこは家賃との兼ね合いで決めるしかない。
こいつはまた、カントリーサイドのカップルでも住んでたのか? ってくらいラブリーなルッキングだぜ。
もしくは、『めぞん一刻』の朱美が住んでた部屋のような…おっと、アナクロだったかな。ともあれオレのブレインバックには、朱美のベビードール姿が刻み込まれちまったぜ。
収納は細いパイプのクローゼットのみか。こういうカバーの付いたタイプってナウ時珍しいな、オレがスチューデントの頃は、下宿暮らしのエブリバディが1人1個持ってたもんさ。
しかもオカン…もといマザーが買ったやつだから、やたらとファンシーなイラストがドローイングされてたりしてな。
外国のチャイルド文学でグロウアップしたオレとしては、『ナルニア国物語』みたいなデカいワードローブに憧れてたんだが、そういうのはナウじゃブラザーの持ちものさ。
プロ御用達のハシゴ
さて、ジャストナウの物件はバスルームがアメイジングだったが、こっちはどんなもんかな?
オウ…物置を兼ねてるのか、いきなりハシゴが登場だぜ。しかもアーキテクチャ現場で見るような、プロっぽいやつ。こりゃもしかして、ビフォー住人のフォーゲット物か?
まあいい、1800元でハシゴも付いてくるとシンキングしよう。しかしこのトイレットのフォルム、元は和式か?
コックローチとシェア
続いてここもオールド房子の物件だ。チープなところはどこもこういうタイプだが、オネスト言ってオールドほどしっかりビルトされてるもんだぜ。
ウォールも厚めだし、ノーエアコンでもウインターはウォーム、サマーはクールなんだ。
オフコース、オールドなだけあってコックローチやマウスとのシェアは免れないけど、それもセルフケア次第では何とかなるもんさ。
ホームシックを誘う
よし、早速プレビューしてみよう。オウ…かわいらしいペンギンズがウェルカムしてくれたぜ。ジャストナウのルームじゃないが、これもマザーラインナップ風だな。
シーツでカバーしちまえば見えないが、エブリタイムマザーのラブに包まれてスリープするわけか。…まさか、オレをホームシックにさせようってのか!?
いつもオレのセーブマネー・ムーブメントに横スピアを入れてくる、ブラザーの仕業じゃないだろうな! …ちょっとトゥーマッチに動揺しちまったようだ、エステートのスタッフがドン引きしている。
しかしこのルームも、8平米のほとんどをベッドがオキュパイしている。ジャパンなら、これだけタイニーなルームだとアップダウン可能な布団をユーズするところだが、そこはチャイニーズ・カルチャーってわけか。
まあそもそも、アップした布団をしまっておくスペースもないもんな。
オレがこの部屋でベスト惹かれたのは、ジャパニーズ・スタイルのトイレットさ。イン・フロント・オブ洗濯機で、テイクオフしたパンツもすぐにイン。便利だ。
サンライズを浴びたい
これくらいのプライスになってくると、さすがにルームのワイドさも格段アップするな。とはいえ、このルームはノー・ウインドウ。
しかも天井ボードがやたら低くて、ケアレスするとヘッドをヒットしちまいそうだ。なんだってこんなに低いんだ…と思ったら、ロフト構造か!
でもロフト上はウェアハウス代わりにしか使えないくらい、さらに低いぞ。だったらベッドをよけて、上に寝床を作って…おいおい、いつのまにかここに住むライフをイマジンしちまってた。
ノーウインドウってところが、クリミナルのアジトみたいだな。ドラッグのディーラーでも住んでいそうだ。いくらセーブマネーと言っても、モーニングサンライズは浴びたいよな。ってことでこの部屋はナシ!
住人のフィロソフィ
今度はオールド房子じゃなく、ユージュアルな感じのアパートメントだ。ホワイトをベースにしたタイル張り、クリーン感にあふれている。
ベッドルームは…これもビフォー住人のホビーか? やたらポップだな。ウォールに何か書かれている「who controls the past,controls the future」?
過去や未来をコントロールする者…フィロソフィ的だな、マートンじゃあるまいしオレはここでシンキングに溺れたりしないぜ。
ウインドウ際のサンルームは、ランドリー後のクローズをドライするのにコンビニエントそうだが、その代わりベリーホットそうだ。
オレはグリーン・ハウスで暮らすなんてインポッシブルだぜ…やっぱりこのルームもピンとカムしなかった。おいエステート、ネクストへゴーだ!
バースデイに贈り物
さて、最後にイントロデュースするのは、ワンテイスト違ったハイプライス物件だ。ブラザーならともかく、オレのフェイバリットとは言えないんだけどな。
実は、もうすぐブラザーのバースデイなんだ。ブラザー思いのオレとしては、ヤツのハッピーなフェイスが見たいんだが、あの成金が好みそうなものをやるのはどうもルールにそぐわない、ってんでこのルームをピックアップしてみた。
ヤツももういいエイジだし、そろそろアースにフットの着いたライフを送るべきだぜ。オレからのプレゼントだなんて、寝耳にウォーターでサプライズだろうな…ナウから楽しみだぜ。
ガーデンにはキャット
このルームのワン押しポイントは、何といってもガーデン付きなところだろう。ナイトになるとキャットたちが集って、発情シーズンはものすごいビッグ・コーラスが響き渡るのさ。
気になって夜もスリープできないって? ノーノー、このルームはこれだけゴージャスでありながら、オールド房子をリノベートした物件なんだ。
さっきも言ったように、オールド房子はリーセントリーのアパートとはワンラインを画して、防コールド・防ホット・防サウンド性がバツグンだ。窓ガラスさえセルフリノベートでハンドを入れてしまえば、キャットボイスなんて気にならないさ♪
このルーム、ゼロが1つ少なければなー…とか言っても仕方ない、オレはやっぱり最初のルームにセルフリノベートを施して、ルック違えるほどのシャレオツ物件に変えてやるぜ!
~上海ジャピオン2015年5月29日発行号