まずは今年、中国全土で話題となったニュースから。リオ五輪やG20など、国際的なニュースが目白押し。
アジアインフラ銀開業
アジア向けの国際開発金融機関として、中国主導で発足された。開業時には57カ国だった加盟国が、2017年には80カ国を超える見込みだ。一方今年10月、人民元が国際通貨基金(IMF)の特別引出権(SDR)通貨バスケット入りを果たした。これにより人民元はドル、ユーロに次ぐ世界第3の国際通貨という地位を確立している。
神舟11号打ち上げ
10月、有人宇宙船「神舟11号」が打ち上げられた。その後同船は無人宇宙実験室「天宮2号」とドッキングし、乗組員である2人の宇宙飛行士、景海鵬氏と陳冬氏が約1カ月間宇宙に滞在。中国にとって最長の宇宙滞在記録を樹立した。なお17年4月には宇宙貨物船「天舟1号」を発射予定だと言う。
リオ五輪メダル数3位
中国は金26、銀18、銅26個の計70個、アメリカ、イギリスに次いで3番目に多くメダル数を獲得。一方で、ネット上では北京やロンドン五輪より少ないメダル数に批判の声が相次いだが、7割以上が五輪初参加の選手だったこと、平均年齢が前2回よりも低かったことなどから、仕方がないとの意見も。そのほか、女子飛び込みで銀メダリストの何姿選手がチームメートからサプライズでプロポーズされたり、女子水泳銅メダリスト傅園慧選手の喜びの表情が話題となったりするなど、成績以外のイベントも大いに注目を集めた。
車のクラクションや爆竹の使用が禁止され、すっかり静かになった近頃の上海。そんな中、今年は上海ディズニーランドがオープンし、人々の話題をさらった。
上海ディズニーランド開園
満を持してオープンした「上海ディズニーリゾート」。開園数カ月前からチケット価格やレストランのメニューが報道されるなど耳目を集めた。開園直後の6~9月まではその混雑ぶりが盛んに報じられたが、ここ最近は「平日はどのアトラクションも5~10分待ち」と伝えられることもしばしば。しかし早くも新エリアの増設が決まるなど、今後の展開に目が離せない。
また同リゾートで頻繁に取り上げられたのが来園者のマナー問題。子どもが路上で用を足したり、女性がトイレのハンドドライヤーで足を乾かしたり、泥棒が園内の草花を大量に盗んで転売を試みたりと、仰天ニュースが飛び交った。
交通違反の取り締まり強化
3月から交通違反の厳しい取り締まりが始まった。監視カメラを増設し、むやみにクラクションを鳴らせば罰金、交通違反者にすぐさまメールで通知が届くシステムに。さらには駐車禁止区域の路肩を漏れなく黄色に塗り、信号無視をした歩行者の顔写真をSNSに投稿するという大胆な施策まで登場、ありとあらゆる取り締まりがなされた。
寒さで水道管が凍結
1月24日(日)、上海市ではマイナス6~8度という36年ぶりの寒さを記録。その結果、多くの家庭で水道管が凍結し、1~7日ほどの断水を余儀なくされた。水道局には1日で1万件以上の修理依頼が寄せられたとのこと。
「どうしてそうなった」や「その発想はなかった」と思わず天を仰いでしまいそうな摩訶不思議ニュースをピックアップ。
軌道交通駅で暑さ凌ぎ
冬は水道管が凍るほど極寒だったが、夏は夏で56年ぶりの酷暑となった上海。家にクーラーがない市民が「こりゃ堪らん」とばかりに集まったのが、軌道交通13号線「金沙江西路」駅のコンコースだった。駅の入り口を下りてから改札までの長い通路は、冷房が効いており快適。老若男女がゴザを敷き、寝そべったりカードゲームに興じたりする珍風景が繰り広げられた。
学生寮の部屋が元トイレ
貴州省である男子中学生が学生寮の自室を訪れたところ、ベッドの下に和式トイレが…。トイレの穴にはコンクリートが詰められていたものの、以前は普通に使われていたことから、臭くて堪らなかったと言う。これに対し学校側は「学生はいかなる困難にも立ち向かうべし」とまさかの返答。さすがにこの部屋は使いたくないと、別に部屋を借りたそうだが、便器の真上で眠ることを強いられた彼の境遇に涙を禁じ得ない。
ワニ、大鍋でグツグツ
絶滅危惧種に指定されている「揚子ワニ」が、洪水に乗じて池から逃げだしたはいいものの、その先に待っていたのは鍋だった(!?)――安徽省で、おばさんが中華鍋を用い豪快にワニを煮る様子を納めた動画がネットにアップされ、物議を呼んだ。この後ワニは、飲食店に持ち込まれ食べられてしまったんだとか。もちろん無断でワニを捕まえ食べたグループはお縄に。なおこのワニを除く、逃げ出した揚子ワニ91匹は無事捕獲された。
~上海ジャピオン2016年12月30日発行号