麻雀の歴史を振り返ろう
千年以上の歴史を持つ
麻雀発祥の地、中国。その歴史は古く、1000年以上前に発明された紙牌を用いたゲーム「マーディアオ(馬吊)」が麻雀の始まりと言われている。そして、近代麻雀はおおよそ140年前、清朝末期の今の浙江省寧波市で誕生した。
近代麻雀の発明者
歴史学者により近代麻雀の発明者が、現在の副総理に当たる役職に就いていた陳政钥(字魚門)であることが確認され、また麻雀がゲームとして公認されたことから、浙江省寧波市が麻雀の発祥地として積極的にゲームの普及に努めた。麻雀が生まれた年の中国は、寧波市や上海市に多くの外国人が駐在しており、彼らの間でも楽しまれるようになった。そして彼らを通じ、欧米や日本を筆頭にアジア諸国にも広く流通していく。
1920年頃爆発的人気に
米国人の商社マンJ.P.バブコックが、1919年に欧米向けに麻雀牌の輸出を始めたのが直接的なきっかけになり、20年代に世界各地で爆発的な流行をみることになる。主として上流階級の社交ゲームとして遊ばれ、推理作家アガサ・クリスティの小説『アクロイド殺し』にも登場。日本に麻雀が伝わったのもちょうどその頃で、20年代初めの大正末期から昭和にかけて牌が中国から入ってくるようになると、文化人やジャーナリストがたちまちこれに熱中し、彼らが書く記事や写真を通してあっという間に日本各地に広まったと言う。
麻雀牌のデザインについて
雀牌それぞれの由来
一説によると「マンズ(萬子)」の〝萬〟とは金銭の量単位を表しており、「ピンズ(筒子)」は、文銭という中国の貨幣の形状をモチーフにしている。なお「ソーズ(索子)」は、その貨幣に通してまとめる縄あるいは竹串を基に描かれている。また「イッソウ(一索)」には通常、クジャクがデザインされているが、骨董品の中にはツルやスズメといった別の鳥類やタケノコ、魚が描かれた希少品も存在する。三元牌と呼ばれる「ハク(白)」、「ハツ(發)」、「チュン(中)」は、それぞれ〝白はものごとを公平に行うこと〟、〝發は財を成すこと〟、〝中はものごとに成功すること〟を意味するんだそう。日本独自の説としては、〝白い肌〟、〝緑の黒髪〟、〝紅い唇〟という美女の三大要素とされることもある。
さて、次のページからは日本と中国の麻雀ルールについて紹介しよう。
〝取っては捨てて〟を繰り返す
麻雀は最初に親を決めて、13枚揃えたら(④)、勝負スタート! 〝牌山の牌を1枚取って、手牌から1枚捨てる〟を繰り返しながら、同じ柄や数字を集めていくんだ。そして最初に「3+3+3+3+2」の形を揃えた人が勝ちとなり、麻雀用語でこのことを〝アガる〟って言うよ。誰かがアガった時点でその回は終了し、最終的に点棒の合計数の高い人が勝ち。ただ、自分が取る牌だけでは、アガりづらいのが麻雀。そこで、他者が捨てた牌を利用する「ポン」や「チー」にも挑戦しよう。「ポン」とは、手牌に2枚同じ牌があって、ほかの人がこれと同牌を捨てた時にこの牌がもらえる。「チー」は、自分の左隣のプレイヤーからのみ捨牌がもらえるというルールだよ。初めは慣れないけど「4人が順番に牌を取って捨ててを繰り返してアガリに向かっていくんだな」と思っていればOK。
組み合わせを覚えよう
中国は実際の方角で東側にいる人が親となり、その人からゲーム開始。そして日本同様、13枚揃えたら1枚引き1枚捨て、規定の牌の形に揃えればアガりとなるよ。日本ではゲームの途中で席を移動することはないけど、中国式は一回終わるごとに左回りに席替えをしないといけないんだ。
中国麻雀は、点棒で計算するわけではなく、役にそれぞれ点数が付いていて、それを足していくだけ。ポイントは紙に書いて記録するんだって。揃える牌は日本と同じ「3+3+3+3+2」の形もあるけど「4+4+4+4+2」や「4+4+3+3+2」、「4+3+3+3+2」なんて組み合わせも存在するので、アガり役はしっかり覚えた方がいいかも。花牌はうれしいプラス点になるから引いたらラッキー♪日本の倍以上ある組み合わせを習得すべく、まずは一度打ってみよう!
~上海ジャピオン2017年2月10日発行号