知的好奇心をくすぐる! 子ども博物館巡り

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子ども連れで無料の博物館

10号線「宋園路」駅から徒歩5分の場所にある「上海児童博物館」は、2~6歳ほどの子どもを持つ家庭に人気の博物館だ。

同館は、入館料が無料。子どもと一緒でないと入館できないので注意が必要だ。同館は非正規教育機関として、地球の成り立ちを子どもに理解してもらうよう、「観測船」、「深海」、「宇宙」、「地球」の4テーマに分け、資料を展示。またミニゲームなどもあり、地球環境について楽しく学べる。それではいざ、地球を巡る旅へ出掛けよう。

 海、宇宙、地球を学ぶ

展示スペース入口は潜水艦の内部を再現した造りで、人が通ると青白い光が点滅する。これには、近くにいた子どもが大はしゃぎ! 出だしは好評のようだ。最初の観測船エリア「進入船艙」に進むと、電子パネルが並び、ミニゲームを楽しめるスペースがお出迎え。ここは、中国の極地観測船「雪龍号」がモチーフとなっており、実際に同船で撮影された映像が流れるので、南極調査を疑似体験できる。

奥に足を運ぶと、目の前には大きな潜水艦が…。艦内では、子どもが潜水士さながらにボタンを操作し、その姿を親がほほえましく見守る光景が広がる。潜水艦の前には、イルカやクジラなどの映像が流れ、親も楽しめる空間だ。

2階に上がり、宇宙空間「太空旅行」へ。壁一面で宇宙の仕組みを解説するほか、スペースシャトルの一部を模したオブジェもあり、宇宙飛行士になった気分になれるかも。地球を取り巻く環境を楽しく子どもが学ぶのに、ピッタリだ。

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百年の歴史ある天文博物館

子どもの頃に一度は行ったことがあるだろうプラネタリウム。上海市でデジタル版プラネタリウムを楽しめるのが、松江区に構える「上海天文博物館」だ。

同館は「佘山国家森林公園」の山頂付近に構え、公園の入場自体は無料で、博物館の入館料は1人12元。公園とは言うものの博物館へ行くには山を登らねばならず、結構な体力を要する…。歩きやすい靴で行くのがオススメ。

「上海天文博物館」は、1900年にフランスが建てた佘山天文台が前身。大型の天体望遠鏡も設置しているのだが、これは中国で最も早く設置された天体望遠鏡と言われており、ここは100年以上の歴史がある場所なのだ。

 電子プラネタリウムを鑑賞

まずは天文学の歴史を時系列で解説する展示スペースを進んでいく。太陽系の仕組みや月食・日食などを説明しているのだが、中国語であるためほとんどわからない。ここはイラストを見て楽しもう。この建物を抜けると、日時計や星座測定器のような道具が通路に展示されており、天文ファンは気分が高まるはずだ。

次の建物に移動し、お目当てのデジタル版プラネタリウム「万緯数字天象庁」へ。中国科学院上海天文台による最新衛星データを随時取り入れ、鮮明な星空を放映しており、子どもに大受けすること間違いなし。期待に胸を膨らませ場内に入ると、数十人が床に座っていた…。日本のプラネタリウムを想像すると違和感を覚えるかもしれない。上階では、先述の天体望遠鏡を見られる。宇宙が広がる同博物館へ、ぜひ一度足を運んでほしい。

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先月オープンの歴史博物館

3月26日(月)に開館した「上海市歴史博物館」は元々、1932年に建てられた「上海革命歴史博物館」を改装したもの。ここでは、上海市一帯の約6000年に渡る歴史を万遍なく学べるとあって、中学生以上の子どもはもちろん、大人も楽しめる博物館となっている。館内は東棟と西棟に分かれ、東棟1~4階では、市の歴史を常設展示。西棟では6月24日(日)まで、建国後初の市長を務めた故・陳毅氏のプロフィールや、遺族が提供した彼の遺品、当時のニュース映像などを鑑賞できる。

大人も大満足の展示資料数

東館入口にて手荷物検査をしたら、いざ入館。まずは、最新技術を用いたデジタル展示スペースがお出迎え。電子パネルをタッチすると、知りたい年代の資料を表示してくれる。奥に進むと、10年の歳月を掛けて造られた婚礼用かご「百子大礼轎」が煌びやかにその存在感を放っているほか、市の風景などが描かれた近代絵画も飾られている。

2~4階は、階ごとに年代が分かれ、2階は古代、3階は中世、4階は近現代の資料を展示。各階では、土器や過去の印刷物、模型など、解説付きで1000点近くを展示しており、無料とは思えないほど見応えがある。ついつい子どものことを忘れ、親が見入ってしまいそうだ。さらに4階の最後には、市で当時製作された国章そのものが飾られているなど、上海の歴史を学ぶには打って付けの場所だ。

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~上海ジャピオン2018年4月20日発行号

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