脱! 二日酔い 悪酔い防止の中日対策

うわばみなのはどっち?

忘年会に新年会…中国式に、円卓で白酒を「干! 干!」とやり、酔いつぶれてしまった人はいるだろうか? 中国人には酒豪が多いというイメージがあるが、実際にはどうなのだろうか?

WHOなどの調査によると、実は中国人も日本人もほぼ4割近くの人が酒に弱いタイプで、さらに1人あたりのアルコール消費量は、日本の方が多いという。少し意外な結果だが、アルコール度数が高い白酒、そして、酒が欠かせない宴席やそこでのマナーなどが「中国人は酒飲み」というイメージに繋がっているのかもしれない。

酒豪が多い地方は、中国も日本も北国の人。極寒を乗り切るのに欠かせないのがアルコールだ。

さて次のページからは、そんな中日の酒飲みたちがこよなく愛する二日酔い対策グッズを見てみよう。

 

万能すぎる漢方・葛根

悪酔いしないためには、宴会前のケアが大事。中国でも、酒を飲む前に服用する二日酔い対策グッズが重宝されているようだ。

「北京同仁堂」や「仁和薬業」など漢方の老舗が出しているのは、葛根や枳具子(きぐし)を配合したタブレット。葛根といえば、日本では風邪の引き初めに飲む漢方として知られているが、実は肩凝りや頭痛、鼻炎にもよいとされているだけでなく、中国の本草学の宝鑑『本草網目』には酒毒を解き、肝臓を守る働きもあると記載されている万能薬。これに、同じく二日酔いを防ぐ効果があるとされる漢方、枳具子(きぐし)と、数種の漢方を配合したものが、二日酔い対策グッズとしてメジャーなもののよう。酒を飲む前と、後にそれぞれ服用するとよいという。

またほかに、アルコール代謝を促進させるという、コーン粒の皮のたんぱく質「コーンオリゴペプチド(玉米肽)」を使ったタブレットなども販売されているが…取材班の周りの中国人は「そんなタブレット使ったことがない」「飲む前の対策などしない」「飲みすぎなきゃいいじゃん」という人が多数。節度ある飲酒を楽しんでいるようだ。

 

ウコンもじわじわ人気

一方日本では「ウコンエキスドリンク」などのドリンク剤が、二日酔い対策グッズとして、かなり市民権を得ている。中国では日本から輸入した、カプセルタイプのウコンが人気で、中国でも〝酒飲みにはウコン〟との認知がされてきていることがうかがえる。

とはいえ、ネットショッピングサイト「淘宝」では怪しい商品もかなりの数が横行しているため、購入時には、販売元や商品自体が正規のものであるかどうか、必ず確認を。

 

水分・糖分補給は必須

酒を飲んだ翌日、ガンガンと痛む頭、ムカムカする胃、ふらつく足元…。残念ながら二日酔いに陥ってしまった時、中日ではどんなケアをしているのだろうか?

中国で二日酔いのケアを聞くと、最初に出てくるのがハチミツを湯で溶かして飲むこと。これは肝臓がアルコール分解で忙しく、糖の分泌が滞ることによって起こる低血糖、そしてそれによる、身体のだるさやぼんやりした症状を補うのに適したものだ。日本でも同じ理由で、飲酒後にラムネを食べることが一時ブームとなった。

またアルコール分解時には大量の水が必要になるので、二日酔い時は脱水症状に陥りやすい。水やスポーツドリンクを飲むことで、分解を促進させよう。もちろん、十分な休息も必要となる。

 

少し出てくるお国柄

…とここまでは中国も日本も似たり寄ったりのケア方法だが、中国サイドで出てくるのは、またもや漢方の葛根! これは葛根の血行を促進する効果で、体内のアルコール分解を活発にするのが狙いだそう。もう、飲酒時には葛根が手放せなくなりそうだ。

一方日本はしじみ汁。しじみにはオルニチン、タウリン、アラニン、メオチニン、グルタミンなど、有毒物質であるアセドアルデヒドの分解を助けたり、肝機能の働きを高めたりする有効成分がたっぷり入っている。中国でもインスタント味噌汁などを購入し、台所にストックしておきたい。

また「淘宝」では先の葛根が入った飲み物「葛根烏梅湯」やビタミングミなど、中日の二日酔いケアグッズが多数販売中。「酔い覚まし(解酒・醒酒)」で商品を検索してみよう。

 

 

~上海ジャピオン2022年1月14日号

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