秋キャンプ!

キャンプブーム到来

1人静かに自然と向き合う「ソロキャンプ」や、手ぶらで参加、豪華なコテージやトレーラーハウスに泊まる「グランピング」など、日本では様々なニーズに合わせ、バリエーションが増えたアウトドア系施設。実は中国でも近年、オシャレに楽しむキャンプや、都会を離れ、家族と自然を感じる農場体験の人気が急上昇。でも、中国でキャンプってどうやってするの? 安全なの? そんな疑問を解消するため、まずは中国でキャンプ経験豊富な山本さんに、中国のキャンプ事情を伺ってみた。

数十人規模のアウトドア・イベントから、山奥での1人ソロキャンプまで、様々なキャンプを楽しむ山本さん。しかし現状は、中国で野営用として開放している施設は少ない。そこで山本さんは、キャンプによさそうな湖や山を見付けたら、伝手をたどって連絡したり、現地交渉で許可をもらったりすることもあるそうだ。

もっと家族と自然体験を

そんな厳しい環境でも、キャンプに行く理由について「子どもと一緒に自然で生活することの大変さ、不自由さを体験すると、普段の生活のありがたみがよくわかります。キャンプ後、家に帰って風呂に入るまでが幸せ」と山本さんは語る。さらに上海に住む家族連れにキャンプを楽しんでほしいと、年内にも自分でキャンプ場をオープンさせるべく、準備を進めているんだとか。

では次のページから、山本さんに教えていただいた、上海にある初心者向けの安全なキャンプ場、手ぶらで行けるグランピング施設などを紹介していこう。

大自然のレジャーを楽しむ

青浦区の水郷「朱家角」からさらに西、「淀山湖」のほとりにある水のレジャー施設「上海美帆遊艇倶楽部露営」では、芝生スペースでキャンプを楽しめる。山本さんは秋になると、毎週末のようにここでキャンプをするそう。「テントなどキャンプ用品や食材はすべて持ち込みですが、もし食材や飲みものが足りなくなっても、近くにあるレストランやバーで調達できるので安心。家族連れにオススメです」とのこと。またバスケットボールやサッカー、ビーチバレー、児童遊園地も併設し、子どもが遊べる環境が充実。もちろん湖でカヌーや釣り、ヨットなども楽しめる。キャンプだけでなく、あらゆる自然のレジャーも手軽に楽しめるのが、このスポット最大の魅力だ。

湖を眺めながらキャンプ

この芝生広場でのキャンプは場所の予約ができず、どこにテントを張るかは早い者勝ちなのでご注意を。広場は湖に隣接し、美しい淀山湖の風景と波間に漂うヨットなどを眺めながら飲食できるベンチや、桟橋もあり。ただこれからの時期は朝晩の冷え込みが激しくなるので、寒さ対策をしっかりしてキャンプに臨もう。テントなどのキャンプ道具、食材はすべて持参で、入場料は1組100元、宿泊の場合1泊200元。清潔なトイレやシャワールームも使用可。なお必ず宿泊する必要はなく、簡易テントと料理を持ち込んで日中をゆっくり過ごし、日が暮れたら帰るファミリーも多いんだとか。

手ぶらでOK、お手軽に

上海市から車で約2時間、高速鉄道なら約2時間半の場所にある、浙江省湖州市の観光地「仙山湖」。この畔にキャンプ場があると聞き、実際に国慶節休暇中に現地でキャンプを楽しんだという、華日交流会の野口さんに話を伺った。

このキャンプ場「湖州亦嘉营地」の大きな魅力は、手ぶらで参加OKなこと。テントの設営から寝具、バーベキューセットまで、すべてキャンプ場側が準備してくれる。「テントが北欧ブランド『ノルディスク』の高級テントだったことが決め手でした」とは野口さん。4人用のテントでは、テント内部を仕切れるインナーキャビンが付いており、2人ずつ分かれて寝ることができるなど、使い心地がとてもよかったという。また30人ほどが集まれる、屋根付き共有スペースも設置。夜はここでパーティーを楽しんだそう。ほかトイレ・シャワールームも、気持ちよく使える環境のものを用意。

週末の小旅行にピッタリ

ここは仙山湖横の小さな湖に隣接し、アーチェリーや釣り、ウォータースポーツを提供。サーフボードの上に立ってパドルを漕ぐ「スタンドアップパドル」は初心者でも親しみやすいスポーツで、野口さん一行も大いに盛り上がったという。

上海市から少し距離はあるが、週末のレジャーにいかが? 宿泊料金は小テント600元、大テント1000元/各1泊。テントなどキャンプ用品はすべて貸し出し、オプションで食材を購入可。これからの季節は、寝袋など防寒用具を持参すると安心だ。

~上海ジャピオン2020年11月6日発行号

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