オススメポイント
李碧華は、中国香港を代表する女流小説家として知られています。日本にも精通していて、京都大学に留学した経験もあるようですよ。文章は個性的で、時代の変遷に則したものが多いです。
同作は、悲しい恋愛ストーリーであると同時に、1930年代に身を売っていた女性の生活を通じ、当時の中国香港の姿をとてもストレートに描いています。人生の無常さ、また社会で見られる矛盾などが印象的です。
愛する人を想い続け、50年後に会いに行くというファンタジックなラブストーリーは、読む者の心を鷲づかみにしてくれるでしょう。
50年越しの恋愛模様の行く末は…
1934年の中国香港。金持ちの息子、十二少と如花は恋に落ちるが、十二少の両親に強く反対され、2人は心中を決意する。しかし、十二少だけが生き残ってしまい、如花は死後も十二少に想いを寄せ続け、53年の月日が経過。愛する人を探すべく、来世での寿命を7年短くすることと引き換えに、7日間現世へ行く猶予をもらう。彼女は、彼女が死んだ日時〝3877〟の数字を頼りに、やっとのことで十二少を探し出したのだが…。
~上海ジャピオン2013年12月6日号