オススメポイント
同作は著者の代表作であり、郷土愛に溢れた中編小説。物語は1930年代、中国の湖南省北西部にある小さな町・辺城茶峒を舞台に、豊かな自然や独特の風土、その地に住む人々の風習、人情が叙情的に描かれ、中国文学史において高く評価されています。
またこの作品は、日本やアメリカなど40カ国以上で翻訳され、各地に熱烈なファンを生みました。中国香港の雑誌『亜州週刊』の「20世紀の中国語小説100選」で2位に選ばれており、もっと長生きしていれば、ノーベル文学賞を受賞していたのでは、とも言われているんですよ。
美しい自然の中、兄弟は少女に恋をする
四川省と湖南省の堺にある小さな山村。都市から遠く離れたこの辺境の村で、少女・翠翠は祖父と2人、渡船業で生計を立てていた。ある年、端午の節句のお祭りで、翠翠がドラゴンボートの競争を見に行った折、地元の名士・順順の息子、儺送と出会う。
ハンサムで歌が上手な儺送と翠翠は互いに好感を持つが、儺送の兄、天佑もまた翠翠に恋をしてしまうのだった…。
~上海ジャピオン2014年3月7日号