海と山で水遊び 孫悟空誕生の地を散策
「いつ海水浴に遊びにおいでよ!」突然の主人の友人からの誘い。暑い上海の夏に疲れ切っていた私は、この話に飛びついた。どこにあるのか全く聞いた事の無い地名だったが、海の見える奇麗なホテルの写真だけを確認して家族で旅に出た。
連雲港は江蘇省の北の端にある港街。上海からの直行便に乗ると約1時間で到着する。空から見る景色はまるで北海道の様に牧歌的。夕焼けと共に、田畑から虫の声が響き、空港からすぐにところでは、水牛を引いた老人に出会う。「ここは本当に中国?」と錯覚した。こうした雰囲気と癒される景色を眺めながら、海を望めるホテルに到着。
翌日は楽しみにしていた海水浴に出発。ここ連雲港は故郷の神戸を思わせる雰囲気がある。山と海があり空気も美味しい。気になる海水浴場の設備だが、入口に水質、温度、天気など書かれてあるほか、外部からの不審者は入り込めないようになっている。更衣室には日本語の表示があるし、売店ではタオルから水着まで購入できる。ビーチには白いチェアとパラソルが並ぶ。白人も多いので驚いて尋ねてみたら、外資系の企業もこの街に進出しているとか。私たちは友人の家族と一緒に、沖合でモーターボートに乗ったり、ビーチをサンドバギーで駆けたりして楽しんだ。食事は車で街に出て、洒落た喫茶店風のレストランへ。地元の料理を食べたい人は、魚介類を扱う大きな市場兼食堂もある。
午後は山間にある漁港に向かった。緑色の水をたたえた池では、友人が突然、「昔はよく山の上から飛び込んだものだ」と早速泳ぎ始めた。冬にはすべて凍ってしまうという大きな滝を目指して歩いて行くと、途中、水が急に吹き出す仕掛けの橋があり、大人も子供も一緒になってずぶぬれになり遊べる。道中ではキュウリを削って売るおばさん、パイプをくわえた中国の老人、西洋人の観光グループなどとすれ違って楽しい。
最終日は、「ここは孫悟空が生まれた山なんだ」と友人に自慢げに説明された「花果山」へ。下からロープウェイとバスが整備され小さい子供でも大丈夫。山から出てきた猿に2歳になる友人の子供も大喜びだった。下りは景色を見ながら歩いていくと、孫悟空のキャラクターと記念写真を撮る場所や長いトンネルを進む洞窟もあり、その終点では滝の裏側をくぐる体験もできる。最後に「今度は冬に温泉に入りにおいでよ」という言葉に、思わず家族でうなずいた。
次回は、涼しい北海道へ。より詳しい旅情報はhttp://4travel.jp/traveler/mizube/album/
神戸真理
元旅行会社勤務、一般旅行業務取扱主任者取得。
子ども連れ、1人旅などで世界7大陸を旅する。
自然、世界遺産、リゾート好き。
’04春から小学校の娘と共に太太として上海へ。
これまでの旅の思い出を隔週で紹介する。
上海からのアクセス
上海小月旅行社
連雲港2泊3日観光
2,900元~/人(2名の場合)
○初日:早朝空路にて連雲港へ。昼食後、海洋公園、海辺を散策。
2日目:『西遊記』の孫悟空が生まれた花果山、三元宮、水簾洞などを見学。
午後は船で江蘇省最大の島・東西連島観光&海水浴。
最終日:朝食後、空路にて上海へ。
○上記料金はチケット代、四つ星ホテル代、日本語ガイド、
車チャーター代、食事代、入場料などを含む。
TEL: 5442-2351
航空チケット代行なら
中国青年旅行社
上海-連雲港(MU)
片道530元+税金80元
TEL: 6431-1605
フライトスケジュールは
火・水・金・日発
上海→連雲港7:00発8:10着
連雲港→上海8:50発9:50着
~上海ジャピオン6月23日発行号より