食道をゆく 第7回 月餅

voice1255

月餅~江蘇省蘇州市~

voice2217
様々な味の月餅を食べ比べたい


中秋節のお供
名付け親は楊貴妃

 今年は10月3日(土)にあたる旧暦8月15日の中秋節。
この日に中国で食べられる伝統菓子、月餅。
その起源については様々な説があるが、その中でも有力な説を探ってみた。
 もともと月餅は、「太師餅」や「胡餅」という名前だった。
周の時代に、前王朝の忠臣・太師聞仲を記念して作られた、
大量の餡を薄い皮で包んだ「太師餅」が、月餅の始祖とされる。
その後、漢の時代に胡麻と胡桃(くるみ)が西域から輸入され、
これらを餡として作られたものが出てきて、「胡餅」とも呼ばれるようになった。
 ではいつから「月餅」と呼ばれるようになったかというと、
「世界三大美女」としても有名な、楊貴妃がキー人物となる。
唐の時代に、第6代皇帝の玄宗と楊貴妃が中秋節に月見をしながら「胡餅」を食べていたところ、
玄宗が、名前が気に入らないと言い出した。
すると、満月を仰ぎ見た楊貴妃が、
「それでは〝月餅〟と呼びましょう」と言ったため、民間に広く伝わるようになったという。
 2人が食べた月餅は、蘇州発祥の「蘇式」月餅で、薄いパイ生地のサクサクとしたもの。
ほかに、「広式」や「京式」もあり、最近ではアイス月餅など変り種月餅も登場。
中秋節前には、コンビニなどでも、1個2元程度~で売られている。

voice3197
街中を流れる運河を、船に乗ってゆったり巡ろう

 「蘇式」月餅の原点である蘇州には、世界遺産にも登録されている庭園など、名所が勢揃い。
多くは街の中心部に集中しているので、レンタサイクルを利用して自転車で回るのもオススメだ。
? 楊貴妃に想いを馳せ、月餅を頬張りつつ観光するのも良いかもしれない。

voice4124
【アクセス】
上海駅から蘇州駅まで列車で約30分~1時間半、15~31元

?

~上海ジャピオン9月25日号より

最新号のデジタル版はこちらから




PAGE TOP