黄梅って梅雨のこと?
オレはウルフ。ロードバイク好きの留学生。中国の国道を自転車で旅してるんだ。うわ~、朝から大雨。梅雨の時期は蒸し暑いし、道路が滑るし、走りにくいよなぁ。安全運転で行こう。
次に向かう都市は「桐城市」。調べてみたら、「黄梅戯」なるものが有名って書いてあるけど…。「黄梅」って確か、梅雨の天気じゃなかったっけ? もしかして、桐城市は年中雨なのかな? う~、カビ臭そうでやだな(笑)。
そんなことをボヤきつつ、桐城市に到着。あれ? めっちゃ晴れてるじゃん。ジメジメもしていない。この謎(?)を解くため、とりあえず「黄梅酒業文博園」に行ってみるか。
譲り合いの精神を学ぶ
おっ、あったぞ「黄梅戯」。なるほど、これは戯曲の一種で、起源が湖北省の黄梅県だからこういう名前が付いたらしい。梅雨とは無関係だったな。で、「黄梅酒業文博園」では黄梅戯を観劇できると。えっ、地元の白酒の試飲もできるの? 酒飲みながら観劇とか優雅~。思わぬゴージャスタイムだぜ。
それから桐城市は「六尺巷」が人気スポットって聞いたけど…なにこれ、ただの細い通路じゃん。つまんね~っと帰ろうとしたら、案内板を発見。なになに、ここは昔、隣り合う家が、二軒の隙間の土地を巡ってケンカしたと。そこで遠くに住むエライさんに、手紙で解決策を聞いたら、その人が「ただの壁のために、手紙まで書いて届けることができるのに、ほんの三尺も譲れないとはどういうことか」との詩を送り、それに感動した両家が、三尺ずつ土地を譲って、六尺の道ができたんだとか。なるほど、譲り合いの精神をここで学べってことか。オレもちょっと、謙虚にならないとな…。さあ、次の街を目指してゴーイングハイウェイ!
~上海ジャピオン2019年7月5日発行号