めし屋のアイドル 第1回

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日本人の〝間合い〟を読む

 ライトダウンした店内で、サラリーマン客がくつろぎながら食後のコーヒーをすすっている。
創業20年目を迎える老舗の和食ダイニングバー「仁清」では、
入店2年目のヤンヤンがスッと背筋を伸ばし、テーブルの上をテキパキと片付けていた。
「誰よりも動きが早いし、動くタイミングもうまい」と、日本人店長も一目を置くスタッフの一人だ。

日本語も段々上達

 2年前、西安の田舎町から同店で働く従兄弟を頼って上海にやってきた。
始めは緊張の連続で、ホールに立ってもオロオロするばかり。
コーヒー1杯運ぶのすら、手が震えていた。
日本語もほとんど話せず、「お客さんの話していることが理解できなくて、恐かった」という。
 勤務時間は午前10時から休憩をはさんで午後10時まで。
ひたむきな努力が実を結び、今ではワインボトルをきれいに開けたり、
お客さんとも簡単な日本語でやりとりができるようになった。

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毎日でも飽きない

 ヤンヤンが昼間よく運ぶのは、日替わりのAランチとBランチ。
ともに60元前後で、日本人好みに味付けされた和洋中さまざまな味が楽しめる。
この日のAランチは「ねぎトロ丼」(65元)。
マグロの赤身とトロの部位を混ぜ合わせ、包丁で叩いて仕上げたものだ。
 ランチタイムには、不意にお客さんから世間話を持ちかけられることもある。
そんな時は「うれしいけど、ちょっと緊張します」と微笑んだ。

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~上海ジャピオン12月25日/1月1日号より

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