上海はすっかり秋めいてきました。
会社の行き帰りに、
街角で甘栗を売る商人や
店舗をよく目にします。
中国では「板栗」と呼ぶようで、
出勤途中に早速購入しました。
日本では、
「天津甘栗」の名で親しまれていますが、
同僚の話によると、
決して天津市で生産されている
栗というわけではないようです。
天津港が海外出荷拠点なので、
そう呼ばれるらしく、
実際、包み紙にも、
河北遷西産と書いてありました。
栗の名産地、
河北省唐山市遷西県産。
砂糖を加えて煎るので、
「糖炒栗子」とも呼ばれる
食べようと皮を剥くのですが、
不器用な私にはうまく剥けません。
どうにかこうにか剥き終わった栗は、
力を入れ過ぎたせいか
実が潰れていました(泣)。
でも、栗の温かく、
ほのかな甘味が、
頑張った私を癒してくれます。
止まらなくなって
何粒か食べているうち、
小学校の給食に出た、
栗ごはんを思い出しました。
ある日、
私は当番で栗ごはんを装う係でした。
ですが、
その日は先生に怒られたので、
反抗心から、
先生の分だけ栗を入れないという
〝暴挙〟に。
すると、
「こら、
先生のだけ栗を入れないとは何事や!」と、
再び怒られる始末。
あの先生も栗好きだったな、
なんて回想していると、
だんだん栗ごはんが食べたくなりました。
帰りに「板栗」を買い、
即席栗ごはんで秋の味覚を
もっと味わうとしましょう。
~上海ジャピオン2012年10月26日号