お客とともに盛り上げる
インド料理店や中華料理店などが並ぶ商業ビル2階の一角に、
日本の駅前で見かけるような小ぢんまりとした居酒屋がある。
焼き鳥と和食の専門店「キキス」。
その店長を務めるユエンユエンさんは、
「うちは常連のお客さんが手伝ってくれることもあるんです」と少し誇らしそうに語る。
店内の一角にはお客さんの写真が無数に張られ、たくさんの客から愛されていることを感じさせる。
客持参のつまみ
壁の上にズラリと並んだメニューは、すべてある常連男性が書いたものだ。
彼は職場と店が近いため、昼と夜の1日2回も店に来ることもあるとか。
少しずつ書き溜めて、完成させてくれた。
メニューだけではない。
ときにはお客さんがお土産を兼ねて日本から食材を仕入れてきてくれることもある。
取材時には、「いわしみりん干し」や「えいひれ」、(各35元)などがメニューにあった。
ユエンユエンさんとは年の離れたお客さんも多いが、「みんな妹のようにかわいがってくれる」という。
由来はやっぱり
店名は宮崎アニメファンの中国人総経理が、『魔女の宅急便』の主人公キキから取って名づけた。
そういえば、店員さんのユニフォームもキキを思わせるような黒い衣装だ。
ユエンユエンさんはアニメよりカラオケの方が好きだそうだが、それでも笑顔はキキのようにまぶしかった。
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~上海ジャピオン7月16日号より