バイユンジューショウ
白雲猪手
~広州市~
酸っぱさのなかに甘さもあり、パリッとした食感がクセになる白雲猪手
不思議な泉水の力
食いしん坊な坊主の料理
豚足を煮込んだ「白雲猪手」は、広州を代表する料理で、広州のほとんどの料理店にある。
作り方はまず、毛や蹄を切った豚足を半時間ほど茹で、きれいな水に1時間ほど浸しておく。
そして白糖、白酢、塩を入れて再び長時間煮込み、取り出してから、さらに数時間冷やしたら食べ時だ。
歯ざわりがよく、酸味と甘味が入り混じった感じがこの料理の特色。
今でこそ、広州料理として有名なこの料理だが、頭の「白雲」とはどういう意味なのだろうか?
1927年の広州起義の際に犠牲になった烈士たちが眠る、広州起義烈士陵園
広州には、白雲山という山がある。
その昔、白雲山には寺があり、寺の裏手には甘くて清らかな水が湧き出る泉があったという。
寺にはやんちゃで食いしん坊な坊主がいて、昔から豚肉が大好物だった。
ある日、和尚が出かけている合間に、市場で買ってきた豚足を、こっそり料理しようした坊主だが、
和尚が帰ってきたので、慌てて豚足を裏手の泉に放り投げた。
数日後、和尚が再び外出したので、坊主は急いで泉に豚足を取りに行ったが、
腐っているどころか、白く艶々と輝いている豚足を発見。
早速それを砂糖と酢を入れて煮込むと、脂っこくなく、甘味が出てさっぱりとした味になっていたのだ。
坊主は大喜びしたが、戒律を破ったので、寺を去ることになった。
還俗した坊主が、この料理を世間に広めたことで有名になり、誕生したのがこの「白雲猪手」だ。
泉のある「白雲山」にちなみ、そう名付けられたという。
「広州之肺」と呼ばれている白雲山は、今日も新鮮な空気を送っている。
澄んだ空気とともに、ぜひ白雲猪手を味わおう。
【アクセス】
① 上海虹橋空港から広州白雲空港まで飛行機で約2時間半
② 上海南駅から広州駅まで快速列車で約21時間、2等席203元~
~上海ジャピオン5月13日号