民族訪ねて三千里~第19回

世界で一番長い祭り 客をもてなす踊りと歌
トゥー族は、青海省の東北部を中心に暮らしている。
この一帯にはイスラム教を信仰する民族が多いが、
トゥー族はチベット仏教のほか、
祖先崇拝や、関帝、二郎神など道教の神々を祀っている。
また、山には神が宿るといった自然信仰も持ち合わせ、
村落で一番高い場所には寺を建て、
村人の信仰活動の中心になっているという。

既婚女性の民族衣装。
色にはそれぞれ意味があり、
黒は大地を、赤は太陽を表す

トゥー族の祭日は、その多くが宗教と関連し、
旧暦の7月12日から9月15日にかけては
「ナードン」という祭りが行われる。
これは「七月会」とも呼ばれ、
世界で最も長い祭りとして有名。
「ナードン」とはモングォル語で「喜び」を意味し、
祭り期間中には二郎神の神輿をかつぎ、
豊作を祝うと共に、来年の豊作を祈る。
2006年には、国の無形文化財に認定された。

ナードンの祭りで披露される歴史劇では、
出演者は全て仮面を着ける

民族の伝承では、チンギス・ハーンの武将が率いた
モンゴル軍が現地の人々と通婚し、
トゥー族の祖先となったと伝えられている。
そのためモンゴル族とは関係が深く、
彼らのことは「ハラ・モンゴル(黒いモンゴル)」、
自分たちのことを
「チャガン・モンゴル(白いモンゴル)」
と呼ぶそうだ。
青海省の省都である西寧市の西には、
中国最大の湖「青海湖」がある。
青海湖は、世界的に見ても世界第2位の塩湖で、
湖の周囲をコースとした
自転車ロードレースが毎年行われている。

青海湖は、世界第2位の塩湖ではあるが、
年々水位が下がり、干上がる危険もあるという

また、客をもてなすことが好きなトゥー族は、
客人が来ると歓迎のための
「敬酒歌」や「アンショ踊り」を披露し、
貴重な羊の肉や、白酒などの酒を振る舞う。
彼らの集落を訪れる際には、
お土産に酒を持参して、現地の人と飲み交わそう。

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~上海ジャピオン11月25日号

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