民族訪ねて三千里~第28回

羽飾りを身に纏う娘
若者を讃える歌会
ぺー族は、未婚女性が頭に巻きつける
白い羽飾りが特徴的で、民族名の由来となっている。
この民族最大の祭事は、
旧暦23日から25日にかけて行われる
「繞三霊(ラオサンリン)」。
この祭りは、ぺー族の信仰する「本主」を祀り、
3日間で3つの霊場(聖地)を巡礼するもので、
村民の無病息災祈願や、
害虫を駆逐する「虫送り」をして豊作を願う。
この一連の行事は、日本の文化に類似している。

1. ぺー族の若い娘たち。
白い羽飾りが華やかな民族衣装を彩る
2. 山の上に立つ寺。
信仰深い人々は、日々山を登って参拝する
3. ぺー族の「三道茶」を味わえる茶屋。
2杯目には特産のチーズ「乳扇」を入れることも

また、旧暦の7月27日~7月29日にかけて行われる
「大理剣川石宝山歌会」も数10万人が参加する
一大イベントである。
歌会の日、人々はこぞって石宝山に登り、
山野の至る所で各人各様の歌詞が創作され、
美声を競い合う。
夜にはまた松明を灯し、
舞踊も披露するその姿はまさに壮観。
この歌会には、美しい伝説も残されている。
「その昔、石宝山には金の鐘があった。
これを鳴らすと、山麓の盆地は豊作となったが、
ある日、9つの頭を持つ龍がやって来ると、
口から火を吐いて鐘を石にし、
害虫を降ろして農作物に被害を与えた。
山麓に住む素晴らしい歌い手であった
阿石波という若者と恋人の阿桂?は、
観音様の指示の下、
仲間を集め歌声で龍を退治したが、
2人は命を落としてしまった」というものだ。
その後村民たちは彼らを偲んで、
この歌会を毎年執り行うことにした。
彼らの暮らす大理の山々は、
キノコの一大産地である。
松茸も珍しくなく、人々は炒めものに、
スープにと贅沢な食し方をするという。
そのほか、味の異なるお茶を飲む「三道茶」など、
この地域独特の食文化にぜひ触れてみたい。

~上海ジャピオン02月10日号

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