水滸巡礼~108の足跡~索超(さくちょう)

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騎馬軍の切り込み隊長

索超(さくちょう)

ゆかりの地 江西省撫州市南豊県

あだ名 急先鋒

職業 騎馬軍将校

宿星 天空星

北京大名府の軍人。武芸百般に通じ、部下からの信頼も厚かった。対梁山泊戦で行き場を失ったところ、宋江らに諭され、仲間入りする。騎兵軍の主力として活躍したが、最期は方臘の戦いで、敵軍の投げた槌(つち)を顔面に受けて戦死。

青面獣との一騎打ち

敵陣を切り裂く金の斧

索超は北京大名府の軍人。がっしりとした体格で「金蘸斧(きんさんぷ)」なる金色の大斧を武器とした。直情的な性格で、戦では真っ先に飛び出すので「急先鋒(きゅうせんぽう)」と呼ばれた。

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曾鞏紀念館。南豊県出身で、宋代を代表する学者、曾鞏(そうきょう)を記念して建てられた。館内の「読書岩」が名物

ある日、索超は武芸の達人、楊志(ようし)と戦うことになった。流罪人となっていた楊志を取り込みたいと考えていた北京大名府の長官が、武芸試合を行わせ、その実力を測ろうとしたのだ。2人の槍の一騎打ち。打ち合っても、打ち合っても勝負が付かない。見る者を圧倒するような見事な鍔迫り合いに、周りから歓声が湧き起こる。2人の腕前に感動した梁中書は、両者に怪我があってはならないと試合を止めさせ、決着は付かなかった。

そして5年後、梁山泊が北京大名府を襲ってきた。索超は先駆けて出陣し、彼らを迎え撃つ。金蘸斧を振りかざし、疾風のごとく斬り込んで行く姿はまるで獣。そんな彼に梁山泊は恐れをなし、退却したかに見えたが、それはしかし罠だった。敵軍を追いかけた索超は、仕掛けの落とし穴に落ち、捕縛される。そして彼の目の前に宋江が現れ、仲間入りするよう勧めてきた。処刑を望んでいた索超だったが、林冲や楊志、呼延灼(こえんしゃく)など、かつて官軍に属していた将軍たちが梁山泊で活き活きと活躍している姿を目にし、入山を決意。物語では、変わらず我先にと敵陣に突撃する彼の姿が印象的に描かれている。

索超が方臘の戦いで訪れた江西省撫州市南豊県。「南豊儺舞」なる民族舞踊の発祥地として「儺舞之郷」の異名を持つ。また、ミカンの1種「南豊蜜橘」の産地としても知られる。

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「南豊蜜橘」は江西省を代表するミカンの1種で、1300年の歴史を持つ。薄皮で果肉が厚く、濃厚な甘味を特徴とする

かつてこの地で激しく戦い死んでいった索超を癒すように、南豊蜜橘の甘い芳香が今日も漂う。

【アクセス】

①上海浦東/虹橋空港から空路にて南昌昌北空港まで約1時間半

②上海虹橋駅から南昌駅まで、高速列車で約6時間半、2等席237元。南昌駅から撫州駅まで高速列車で約30分、2等席35.5元

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~上海ジャピオン2014年6月13日号

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