①??緑茶
コーヒーと紅茶を混ぜた「鴛鴦茶」は
あまりにも有名だが、その発展型とでも言おうか。
飲み口はお茶で、
後からコーヒーがじわじわと迫りくる。
お茶の方は、
緑茶というよりは濃い麦茶に近いかもしれない。
そういえば麦茶は、
ほんのりコーヒーのような
香ばしい香りがするのだから、
このドリンクが生まれたのも頷ける。
ちなみにこれはセブン・イレブンのセレクト商品
なので、同店で購入可能。
②野生銀花露
「湖北省名牌」と書かれたこのジュース、
瓶入りで漢方のような重厚な趣がある。
原材料の「金銀花」とはスイカズラのことで、
中国では蕾を生薬として用い、
解熱・鎮痛効果があるとか。
そのためか、湿布のような、
薬箱のような匂いがするが、
それほど変な味ではない。
③レモンティードリンク with バジルシード
沈んでいるのは蛙のタマゴ?
それともタピオカ?
と不審に感じるかもしれないが、
これはバジルシードなのだ。
バジルシードは、
水に浸すと半透明の寒天膜を作り、
約30倍に膨らむので
ダイエットに最適と言われている。
味はちょっと甘いが、
バジルのツブツブ感も楽しい。
ほかに、
マレーシアなど東南アジアのデザートに
使われるパンダンリーフ味と、
タイ風ミルクティー味もある。
④清酷緑涼茶
蚊除けの薬のようなパッケージなので、
もしやこれも薬臭いのでは…と
飲むのを躊躇ってしまう。
しかし匂いはほんのり甘く爽やかで、
飲み口もスッキリ。
のぼせを抑える涼茶らしい味わいなので、
身体が熱く感じる時にオススメだ。
⑤蓮藕汁
ローカルコンビニの棚に鎮座するこのジュース。
冷やされているのをあまり見かけない。
パッケージの異様さは群を抜いており、
サビもチラホラ…。リングプルを開けると、
「泥つきの蓮根を洗っている時」
のような匂いが立ち上る。
味は甘いおでん汁、いや、薄味の野菜ジュース、
といったところだろうか。
食品安全規格の
「緑色食品」マークがついているのだから、
身体にいいのだろう、とは思う。
⑥玉米汁
開封した途端、コーンスープの香りが漂う。
なんだ、缶入りのコーンスープだったか…と
油断してはいけない。
口に入れると、甘い。
とにかく甘いのだ。
片栗粉のとろみのおかげで、
甘さはいつまでも舌の上から消えてくれない。
スープのままで良かったのに、
と思わずこぼしてしまった。
⑦椰?燕窩
4缶セットだったので、
1つだけちょうだい、
と言うと「4つ買いなさいよ、大人気なんだから」
と言われた。
名前からして、
ココナッツジュースと
ツバメの巣が入っていることは分かる。
グルメではないので、
ツバメの巣の味というものがよくわからないが、
飲んでみると、
ココナッツミルクを使った
中華デザートのような味がする。
缶には日本語で「アセスルファム誘電」と
書いてあるが、
これがこれが人気の秘密なのだろうか。
⑧聖果沙棘汁
高原や北部に生息する樹木
「シーバックソーン(沙棘)」の
果実を使用したジュース。
ビタミンC、A、Eを含み、
元代には宮廷の御用品だったそうで、
モンゴル語では「チャチャガルゴン」という。
さらにこれには、
キシリトールが配合され、
〝栄養素が豊富でバランスもいい〟と謳っている。
気になる味はというと、
まずマンゴーのようなパンチのある果実味。
そして漢方テイスト。
最後には、
どこか異世界に連れて行かれてしまうような
錯覚を覚える。
⑨塩汽水(塩サイダー)
日本では数年前に「塩ブーム」
なるものがあったが、
これほどシンプルなパッケージに、
原材料は水、ブドウ糖、塩のみとくれば、
おかしな味になることはあり得ない。
安心して飲み始めると、
おお、身体にすーっと浸み込んでいく。
まるで、炭酸の効いたポカリのようだ。
〝低カロリー〟とあるので、
運動で汗をかいた時や、
脱水気味の時にぴったり。
⑩黒松沙士
中国台湾では超ポピュラーなドリンク。
ローカル食堂には必ず置いてあり、
老いも若きも食事のお供にこれをグビグビやる。
色はコーラによく似て黒く、
味はドクターペッパーに限りなく近い。
それもそのはず、
ドクターペッパーやハーブで作った
ルートビアと同じ「サルサパリラ」という
植物を原料としているのだ。
ちょっとクセがあるので
好き嫌いは分かれそうだが、
ヤミツキになる人も多い。
姉妹品に「黒松可楽」というコーラもある。
⑪亜洲沙示
これも「黒松」に似たルートビア系ドリンク。
匂いは、一瞬たじろぐような薬臭さがあるが、
飲んでみると案外苦みもなく、飲みやすい。
むしろ、
「黒松」よりさらにクセがないと
言ってもいいかもしれない。
カフェインを含まないので、
ガンガン飲んでも眠れなくなることもない。
⑫旺仔牛?復原乳
スナック菓子やインスタントラーメンで
お馴染みの、
元気いっぱいな男の子のイラストが
描かれたこのジュース。
「我愛MILK DRINK」とあるが、
乳酸菌飲料かと思いきや、
これがミルクセーキだった。
懐かしいママの味。
真夏なら、
氷にかけて食べるのもいいかもしれない。
⑬花生牛?復合蛋白飲料
想像通りのピーナッツミルク味。
練乳とか豆類が入った、
東南アジアのデザートにありそうな、
そんな味だ。
ただし少々甘めなので、
嫌う人もいるかもしれない。
パッケージ裏には、
「選りすぐりの落花生を自家焙煎して作りました」
といったことが書かれており、
原材料にこだわって作られたことがわかり、
好感が持てる。
⑭楊梅小子
その名の通り、ヤマモモ(楊梅)のジュース。
ただし果汁含量15%ということで、
砂糖の甘さが加えられ、
昔飲まされた子ども用の風邪薬を彷彿とさせる。
ベリー系のハーブティーとも近い。
生のヤマモモはそのツンとした酸味が好まれるが、
これにはあまり酸味が感じられないのが残念。
⑮緑豆汁飲料
一言で言うと豆豆しい味。
豆とくれば前述のピーナッツミルクを連想し、
ミルク系ドリンクかと期待した。
しかし蓋を開けてみると、
枝豆を使ったお菓子「ずんだ餅」のような香りが、
周囲に立ち込める。
舌触りはザラザラ、ヌルヌルとしていて、
やはりずんだ餡を水で溶いたよう。
豆好きさんには
心ゆくまで味わっていただきたい一品だ。
⑯竹蔗甘笋海底椰植物飲品
「竹」や「笋」という字から、
タケノコジュース?
と訝ったが、「竹蔗」はサトウキビ、
「甘笋」はニンジンなのであった。
そしてもう1つ気になるのが「海底椰」。
これはインド・セーシェル島特産の
「オオミヤシ」だ。
世界最大の種子として
ギネスブックに登録されており、
その昔、人々は海底のものと思い、
「シーココナッツ」の名がついた。
中国語名はその対訳というわけだ。
さておき、飲んでみると…
どことなくニッキ水や冷やしあめにも似た、
何とも素朴な甘さがするりと喉を通り抜けてゆく。
防腐剤や着色料は無添加なのが、また嬉しい。
⑰黒木耳露
キクラゲは、
中国では料理にもデザートにも用いられる。
つまりキクラゲが入っているからと言って、
甘いかしょっぱいかは判断できないということだ。
一口飲んでみてもよくわからない。
酸っぱいような気もするが、
味がもの凄い速さで口の中を通り過ぎてしまう。
もう一口飲んでみる。
ガツンとパンチを食らった。
サンザシの酸味だ。
しばらくすると、もう一度試したくなり、
さらにほかの人にも飲ませてみたくなる。
なんだか楽しくなっているうちに、
缶は空になっていた。
⑱En Snow隠雪
今回のラインナップの中で、
〝ザ・スッキリ爽やか代表〟
とも言うべきはこのジュース。
スポーツドリンクのようなパッケージには
「ザクロ風味」と書かれているが、
白ブドウジュース系の味だ。
しかし何か、
ツブツブしたものが…と裏を見ると、
「食物繊維含有量18㌘」と書かれている。
スポーツ後に飲んで、お腹もスッキリさせよう。
~上海ジャピオン9月16日号