世界のお菓子in上海


スーパーの棚に、世界各国から輸入されたお菓子がずらりと並ぶのを見て、興味はあるものの手が出せないという人、結構多いのでは? 
外国人の方による母国のお菓子紹介を参考に、新しい味覚に挑戦してみませんか?

伝統の味を守る
老舗のお菓子

 フランス出身のメラニーさんが良く買うブランドLu社は、フランスで最もポピュラーなビスケットメーカー。
「Le Petit Beurre(通称Petit Lu)」や「Prince de Lu」は、日本でいえば「ビスコ」のような、誰もが一度は食べたことがある子どもの頃の定番おやつで、メラニーさんにとっては故郷の味といえるだろう。
Lu社のお菓子の中でもメラニーさんがイチオシするのは「Le PETIT ECOLIER」。
フランス語でおちびの小学生という意味で、ビスケットの上にコーティングされたチョコレートには小学生の絵が型押しされている。
ミルクチョコにダークチョコ、ヘーゼルナッツ入りなどがあり、サクサクのビスケットと上品な甘さのチョコが口の中でハーモニーを奏でる。
 次におオススメという「PiM’s」は、ふわふわの柔らかいケーキにチョコがコーティングされ、間にラズベリーやオレンジジャムがはさまったもの。
「ジャムのフルーティーな香りが口いっぱいに広がって、甘いけれど病み付きになるわ」とメラニーさんは口元をほころばす。
 120年の歴史がある「Mere Poulard」は、メラニーさんがご主人のためによく買うお菓子。フランスの世界遺産「モン・サン・ミッシェル」にある老舗ホテルのオーナー、マダム・プラールが巡礼者のために焼いたのが始まりというサブレだ。
全粒粉や地元の天然海水塩「ゲランドの塩」を使った有塩バター、農園指定の新鮮卵を使用。
サクッとした軽い味わいでバターの風味が口に広がる。
 ほかにチョコチップ入りなど数種類あるが、ご主人のお気に入りはリンゴ味だとか。同シリーズの平たい焼き菓子「ガレット」もザクッとした口当たりでおいしいと評判だ。

安全でおいしい
オーガニックスナック

アメリカというとカロリーが高くて栄養素があまり含まれないジャンクフードを思い浮かべがちだが、グリアさんは「最近は食品の安全性を気にする人が増えてきて、オーガニックスナックがブームになっているのよ」と教えてくれた。
 14歳からベジタリアンとなり、食べるものにはずっと気をつか
ってきたグリアさん。
一番のお気に入りは、GARDEN OF EATIN社の「LITTLE SOY BLUES」というトルティーヤチップスだ。
チップスというと、日本人はじゃがいもで作るポテトチップを想像しがちだが、このチップスは、オーガニックで育てたブルーコーン(粒が青いトウモロコシ)の粉で出来ている。
ブルーコーンは普通のコーンに比べて糖質が血液中に取り込まれるスピードが遅く安定したエネルギー源となるため、ちょっとファットなアメリカ人に強い人気なのだ。
口当たりが軽くてコーンそのものの自然な味を楽しめる。
そのままはもちろん、ディップにつけて食べるのもオススメだ。
 オーガニックではないけれど、スナックといえばアメリカの国民的お菓子「Doritos」は外せないだろう。
日本で言えば「かっぱえびせん」のような存在だろうか。
アメリカのドライブスルーには必ずチェリーコークとドリトスが置いてあるとか。
グリアさんも高校時代にマイカーで通学していたときによく食べたそう。
「食べ始めたら止まらないのよね」と困り顔だ。
 グリアさんが上海に来てからはまったのは、プレッツェルに蜂蜜をコーティングした「SNYDER’S」のハニーマスタード&オニオン。
甘いものが苦手な人でも食べられる、「しょっぱ甘さ」がたまらない! 
食べきりサイズの小袋入りがあるので、食べ過ぎる心配がないのもポイントが高い。

子どもの頃の思い出が
詰まったおやつ

 懐かしいなあといってマシューさんが手にしたのは、日本でもおなじみMcVitieのビスケット「HobNobs」。
全粒粉から出来ていて、粒が粗くザクッとした口当たりのビスケットだ。
HobNobsとは、「親しく交際する、打解けたティータイム」という意味があり、アフタヌーンティーに良く出されるビスケットであるため、この名前がついたという。
マシュウさんのイギリスの実家には必ず常備されているというおやつだ。
 McVitieと同じく世界的に有名な英国生まれのチョコレート会社Cadburyは、英国王室御用達にもなっている老舗ブランド。Cadburyから出ているチョコレートは数々あれど、マシューさんがイチオシするのは同社の「Flake」だ。
「子どもの頃、移動カーでアイスクリームを売りに来たおじさんが、ソフトクリームを作るときにこのチョコをひと塊入れてくれたんだ。
市販のアイスよりずっと濃厚でおいしかったなあ」と、マシューさんは嬉しそうに語る。
このチョコレート、中がパフパフッとした軽い口当たりのミルクチョコレートで、口の中に放り込むとさらっと溶ける。
マシュウさんは、「テレビCMの影響で、初恋の味みたいなスイートなイメージがあって大好きなチョコなんだ。
上海で見つけたとき、嬉しくなってすぐに買ってしまったよ」と思い入れが深い様子。
 他にチープなキャラメル入りチョコバー、FOX’Sの「ROCKY」は、子どもの頃よくお母さんがランチボックスに1つ入れておいてくれた懐かしい思い出があるとか。
イギリスのお菓子は甘みの強いものが多いそうで、「ROCKY」もかなり甘め。
「だからイギリスには太った人が多いのかもね」とマシュウさんは笑う。
5月にはパパになるので、自分の子どもにはCadburyの「Animals」という動物クッキーを食べさせてあげたいそうだ。

噛む力を鍛え、
歯ごたえを楽しむ!

 ドイツの国民的おやつとして愛されているHariboのグミ。ドイツでは子どもが初めて口にするお菓子がグミなのだそうだ。
Hariboのグミは他社のものに比べて少し固めに作られている。
その理由は、子どもの噛む力を強めるために開発されたから。クマやカエル、サクランボといったユニークな形に、カラフルな色もかわいくて、子どもから大人まで人気なのもうなづける。
たくさんの種類がある中で、ちょっと酸っぱくて固めのグミが大好きというミランさん。
「小学2年生の時、住んでいたアパートの庭で、割るとキラキラ光るきれいな石を見つけたんだ。
この石を道端で売って、稼いだお金でお気に入りの青いグミをよく買った。
これを食べると口のまわりが真っ青になるので、仕事から帰ってきた父さんはすぐに小石が売れたことがわかったんだよ」とかわいい思い出を語ってくれた。
 ミランさんがグミの次に好きなのは、サクサクとした歯ざわりのチョコ。
特に紫の牛がトレードマークになっている「Milka」のHazelnutsがお気に入り。大人気のこのチョコのせいで、牛が紫色だと信じている子どもたちも多いのだとか。
同じくドイツで有名なチョコ「Ritter SPORT」は、サッカーの試合を見るときにポケットに入れて持ち歩くチョコとして開発されたユニークな商品。
真ん中からパキッと折るとパッケージ開くようになっていて、また口を閉じられる構造になっている。「コーンフレークス味がオススメだよ!」とミランくん。
歯ごたえのあるお菓子が好きだそうで、チョコにビスケットがはさまっているLEIBNIZの「PICK UP!」は、サクサクのビスケットに甘くて柔らかいチョコという絶妙なコンビがたまらない。
小袋が5つセットになっているので、湿気を気にせず少しずつ食べられるのも嬉しい。



~上海ジャピオン2月20日号より

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