私のやさしいお隣さん

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老房子の頼れるおばさん

旧フランス人居留エリアに住むSHIHOさんは、とても頼りにしているお隣さんがいる。

同じ敷地内の老房子に数十年暮らす張さんだ。彼女の部屋は張さんの真隣で、会えば挨拶を交わす仲。

張さんとの初めての顔合わせは、彼女がこちらに越してきた2007年頃のこと。日本に留学していた張さんの息子さんが休みに帰省しており、SHIHOさんを日本人と知ると、声をかけてきたのだとか。

息子さんが間に入ってくれたおかげで、張さんらと親しくなっていった。それからというもの、何かトラブルがあれば、張さんらがすぐに駆けつけてくれた。

ある日、SHIHOさんの部屋で水漏れが起こった時、張さんが代わりに業者に連絡し、解決してくれた。「訛りの強い作業員との会話がうまく運ばない時、心温かい張さんが、いつも助けてくれた」と彼女は振り返る。

お互いを思い合える関係

SHIHOさんが今でも大切な思い出、と話すのは、アパートの傷んだ廊下を一緒に塗り直してくれたこと。彼女と上の階に住むドイツ人が、廊下の傷みについて張さんに相談したところ、すぐに塗り直しを提案。

また、SHIHOさん夫妻も自分たちの老房子をかなり気に入っており、ご主人と張さんも敷地内に植えられた樹木の手入れなどともに時を過ごすことも。そして最近、そのまま日本で就職した張さんの息子さんが婚約者を連れて一時帰国。

彼を以前から知るSHIHOさんも張さんの幸せを、自分のことのように喜んだ。

2人はすっかり家族のような間柄で、張さんは彼女について「とても教養があって素晴らしい人。できたらここにずっと居てほしい。もっと仲良く助け合って、楽しく生活していきたい」と話し、お互いを尊重する気持ちが伝わってくる。

 

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頼れるみんなの班長

浦東新区のとある団地に住む、革製品職人のIbatchさんのお隣さんは、上の階の住人・顧さん。

顧さんはこの棟の班長を務めており、どの階に誰が住んでいるかをすべて把握しているそうだ。もちろんIbatchさんが越して来た時も、すぐに顔を覚えてくれた。

Ibatchさんは8階、顧さんは11階に住んでいるので、エレベーターでよく一緒になるという。話好きなIbatchさんが積極的に話しかけていくと、顧さんも親しみを覚え、挨拶をし合うようになっていった。

「来たばかりの頃はあまり中国語が話せなかったので、何を言ってるのかわからなかった」とIbatchさん。ところがそんな彼を、顧さんがとても気にかけていたことがわかる。

ある日のこと、1階の住人が突然やって来て、Ibatchさんに「上からペットボトルや空き缶が落ちてきた」と苦情を申し立てた。身に覚えがないIbatchさんは、自分ではないと必死に主張するも、なかなか納得してもらえない。

途方に暮れていた時、顧さんが駆けつけ「ありえないよ。この人は絶対そんなことをしない!」と相手を説得、身の潔白を証明してくれた。

隣人との関わりを大事に

顧さんには、日本語が堪能で、日系企業の通訳を務めている自慢の娘がいる。娘に教わったのか、時として「アリガトウ」などと日本語を話してくることがあるとか。

いつも笑顔で「你有什麼事、就找我(何かあったら、すぐ私を呼んでくれたらいい)」と顧さんは口癖のように言う。そんな顧さんについて「力になってくれて、とても頼もしい人。

最近はこんなに隣人と関わることって少ないので、この付き合いを大切にしていきたい」と話す。

残念ながらIbatchさんは、もうすぐ上海を離れることに。次の引っ越し先も中国なので、顧さんのような隣人に巡り会えることを祈っているそう。

 

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隣の大家さん一家

セリアさんは、旧フランス居住区のローカルアパートに住んで8年。隣人の大家さん一家には、常日頃からお世話になっている。

セリアさんが一番印象に残っている、と話すのは数年前にヒザを骨折した時のこと。大家さん夫婦とその娘さんが看病してくれ、とても心強かった、と話す。

病院まで付き添い、ドクターとの通訳を務めてくれたばかりか、診断後ギブスを装着して自宅療養になったセリアさんの三食の世話まで欠かさず用意してくれ、買い物も代行してくれた。

さらに、歩けるようになったセリアさんのためにと、大家さんのご主人がお手製の杖をプレゼント。娘さんも日本への留学経験があり、日本語堪能で、より近しくなれたという。

セリアさんは、「この大家さん一家に巡り会えたことは、私の人生の大きなラッキーの1つだった」と話す。

 

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息子のご近所づきあい

ランニングが趣味で、市内を駆け回るのが日課の前澤さん。

前澤さんが直接、団地内の住人と交流することは少ないが、彼女の息子さんが周りからとても良くしてもらっているのだとか。

大家さんの子や、同じ団地に住む子ども同士でよく遊ぶため、おかげで大家さんとも親しくなれた。部屋のことで何か問題があれば、すぐに駆けつけて来てくれる。

また、近所のおじいさんやおばあさんも息子さんを可愛がってくれており、前澤さんが仕事から帰宅するまで相手をしてくれることも。

泣いているのを見つけた近所のおばあさんが、お菓子をくれて慰めてくれたそうだ。

「息子の事では、本当に世話になり、いつもありがたく思っているんです」と前澤さん。今後も息子さんを通して、ご近所付き合いが続いていくことだろう。

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~上海ジャピオン2015年2月27日発行号

 

 

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