上海自動車トレンド ~ナンバープレートからEVまで~

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世界一の自動車大国・中国

〝1億6560万〟。これが何の数字かご存知だろうか? これは日本自動車工業会(JAMA)発表の、2016年末時点における中国の自動車保有台数を表している。日本の保有台数は約6140万台、アメリカでも1億2355万台で、中国が世界一の保有台数を誇る。人口から考えると当然と言えば当然なのだが、日本の倍以上の自動車が、中国各地を走り回っているのだ。また年々うなぎ上りで上昇しており、減少することは十年単位でないと言えるだろう。

自動車が増えることで問題になるのが大気汚染、そして交通渋滞だ。上海市では、特に朝や夕方、渋滞に巻き込まれイライラした記憶のある人は多いはず。そこで中国では、ナンバープレートの数をコントロールすることで、自動車の増えすぎを抑制する政策を取ることにしたのだ。

ナンバープレートに9万元

ナンバープレートを取得する方法は抽選制と競売制の2パターンで、発行枚数は上海市に限れば毎月1万枚前後。今年11月の競売実績を見ると、1万2183枚に対して22万6316人が応募したので、取得率は5・4%。平均成約額は8万7936元(約140万円)…ナンバーを取得するだけでもかなりの金額が必要なのだ。

取得方法は後述するが、中国のナンバーについて簡単に説明する。中国のナンバープレートは「沪A ○○○○○○」となっている。「沪」は上海を表す略称、Aは市中心部を表す。Cだと郊外となり、外環路より中の道を走行することはできず、下6桁が使い終わったらB、D、F…と続くことになる。ちなみに「京」が北京市、「粤」が広東省、「皖」が安徽省、「浙」が浙江省だ。では次ページから、ナンバーの取得方法をレクチャーしていく。

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ネットオークションに挑戦

上海市では前述のように、ナンバープレートは競売制を採用。多くの人は、代理店を通じてオークションに参加するが、個人におけるネットでの申し込み方法を紹介する。

オークション日時は、毎月第3週目のいずれか10時~11時半に行われる。なお今年最後は、12月15日(土)に実施。まずは、ナンバー専門のオークションサイトで個人情報を登録し、「投標号(入札番号)」を取得する。オークションが開始されたら、関連情報が表示され、入札が可能になる。

1度だけ値段の変更が可能

第一段階で、自分の入札額を入力する、これが最初の1時間のうちで入札者が各々行う作業だ。第二段階になると、自分が入札者のうちで何番目に位置しているのかが表示される。最低成約額も併せて確認でき、その数字とにらめっこをしながら入札額を変更。上乗せ額は100、200、300元単位で、逆に金額を減らすことも可能だ。

入札結果は、2日後に同じくネットで確認。「投標号」などを入力し、もし落札できていたら「恭喜您、您成交了(おめでとうございます、落札できました)」と表示される。落札できなかった場合は…また次回トライするしかない。落札できた場合、振込画面に移動。そこで落札額のほか、オークション保証金1000元と、手数料60元を支払う。なお支払いは、銀聯カードのみに対応している。

上海でのナンバープレートは約9万元…中国国産車であれば1台分の値段に匹敵するので、1台の自動車に乗るためには最低でも2台分の費用を払うことになる。それでもナンバーの値段は上がり続けているのだから〝上海でマイカーを持つ〟には長い道のりが続く。

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EVナンバーは無料!?

ナンバープレートの当選率は約5%。計算上、オークションに20回参加してようやく落札できることになる。月1回で手数料60元、1年半参加すると、手数料だけでも1200元掛かる。2年経っても落札できない人がいるから、まだマシかもしれない。中国、上海で自動車を手に入れるのは無理…という人に朗報がある。それは、電気自動車(EV)をはじめとする新エネルギー車(NEV)の購入者には、特例としてオークションを経ずにナンバーを手に入れられるというのだ。

個人や会社における信用度が高い、1年以上連続して社会保障費を納めているなど、一定の条件をクリアしたうえで審査に通過すると、EV用のナンバープレートが手に入る。しかしこちらも狭き門のようで、数カ月待ってもゲットできない人が絶えないと言う。EV用ナンバーは、プレートの色が緑色をしていること。一般車両のプレートは青色をしているから、その車両がガソリン車かNEV車両かはプレートの色で判断できる。

FCV分野で世界をリード

渋滞緩和には役立たないが、環境対策には効果的なEV。自動車購入を希望する人の間ではガソリン車がほしいという人が多い一方、中国政府はNEVに対して補助金を出したりナンバープレートを〝無料〟で提供したりと、優遇処置を講じている。

市政府などは2017年6月、市の自動車産業におけるNEVの中長期的目標を発表。20年までに、EVを含む燃料電池自動車(FCV)の燃料補給を行う水素ステーションを市内に5~10カ所設置し、関連事業の売上150億元にする。25年に水素ステーション50カ所設置、年間生産額1000億元にするなどの目標を佳掲げている。

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~上海ジャピオン2018年12月14日発行号

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