柔らかい物腰の先生
帰国後も続けられる
「日本にいた頃からプリザーブドフラワーが好きでした。こちらにも教室があると知って嬉しくて」
と話す郭田さん。
問い合わせた時の、朽木先生の柔らかい物腰に惹かれてやってきた。
東京に本部を置く「IFA」は、花を通しての文化交流を目的とし国際親善講師の養成に取り組む。
朽木先生は中国国内のほか、バンコク、シンガポールなどアジア10都市を担当。
「日本に帰っても続けられるのが魅力だと思います」と先生は言う。
茎をテープで補強
挿す力加減が難しい
〝プリザーブドフラワー〟とは、生花に有機物質や色素を吸わせ、
生花の質感をそのままに保存加工したもの。
体験クラスでは、ケーキを模したピンクのカラーフォーム(吸水スポンジ)に、花を挿していく。
まず、袋からキットを取り出し、材料を確認する。
郭田さんは、完成イメージが固まらず、しばし考え込む。
次に、生クリームに見立てたレースのリボンを、樹脂で貼っていく。
すぐに固まるので、急ぎつつも、曲がらないよう注意が必要だ。
メインの赤いバラの茎にワイヤーを刺し、テープで巻いて補強。
茎が取れてしまうと、先生は「じゃあ、萼(がく)の部分に刺しましょう」とアドバイス。
小さくちぎった綿を入れて花弁を開かせ、形を整えてフォームに挿す。
あとはアジサイ、ユーカリも同様に、補強しては挿し、を繰り返していくだけだ。
「力を入れすぎると花を壊しちゃうけど、ある程度の力も必要なんですね」。
郭田さんは、できあがった作品を大事そうに抱えて帰って行った。
~上海ジャピオン5月20日号