四面楚歌が生まれた土地へ
オレはウルフ。ロードバイク好きの留学生。中国の国道を自転車で旅してるんだ。日本の友だちや、中国の友だちは長期連休に向けて浮かれムード。一方のオレは遊び過ぎで、学業がヤバい! まだ旅の途中だし、頼れるダチは日本に帰国しちゃうし、先生から連絡来るしで、今のオレはまさに「四面楚歌」。そんな時にピッタリの(?)街が、次に向かう「宿州市」なんだ。
この「宿州市」はその昔、かの有名な「項羽と劉邦の戦い」が起こった場所。誰もが知っている「四面楚歌」や「覇王別姫」などの話も、ここで生まれたとされているんだぜ。だから、この街に行けば、今のオレを救ってくれるヒントが何かあるハズ! 張り切って向かうぞ。
虞美人に秘策を求める
さてまずは、この街一番の観光スポット「皇蔵峪国家森林公園」へ。ここは前漢の初代皇帝、劉邦が皇帝を名乗る前に、泰の兵から逃れ、身を隠した場所らしい。う~ん、木が茂り、清水が流れる、森林浴にはピッタリの場所。劉邦もここで心落ち着け、兵を迎え撃つ対策を練ったのかな。オレも何かいい案、考えないとな…(汗)。
よし次は、虞美人の墓がある「虞姫文化園」へ。あの項羽をメロメロにさせた彼女の資料を見れば、難所を上手く切り抜ける秘訣がわかるかも…。ってかオレも、虞美人みたいにキレイになれば、先生に色仕掛けが効くのかも…? と、この辺り、「虞美人SPA」や「虞美人ネイル」など、虞美人にあやかった美容サロンが乱立してるな(笑)。こうなったらオレもサロンに行って、美に磨きを掛けちゃうか!? さあ、次の街を目指してゴーイングハイウェイ!
~上海ジャピオン2019年4月26日発行号