日本のマナーを知る 上海に和の空間
今回の体験者・山本さんは「若いうちは、
知らなくても許されること、
海外に住んでいると忘れてしまいがちな、
日本のマナーを一から学んでみたいと思ったんです」
と話す。
そんな折、大塚先生を知る友人の勧めで、
娘の結菜ちゃんとこの教室にやってきた。
大塚先生の茶道教室は、
先生の自宅マンションの一室で開かれ、
お茶だけじゃなく、会釈の仕方やテーブルマナー、
教養までも学ぶことができる。
畳が敷かれているせいか、〝和〟の空間が広がり、
上海にいることを忘れそうだ。
日常が学びの場 お茶から教養を学ぶ
山本さんは以前、
和菓子とお茶を頂くまでの作法を学んだことがあるので、
今日は自分でお茶を点てる「お点前」に挑戦。
先生が点ててくれたお茶を頂いたことは何度かあるが、
自分で点てるのは初めてとのこと。
先生は「居住まいや、手の動作は日常と同じで、
特別なことはないんですよ」と、
緊張をほぐす言葉をかけてくれる。
お茶碗にお抹茶を入れ、
お湯を注いだら茶筅で混ぜて…という
1つひとつの動作は、意外とスムーズに運ぶ。
お抹茶がお湯に溶けた時、
液面の泡が三日月形であることが、
表千家の正しい点て方だという。
「はい、良いですね。
でも、ちょっと背筋を伸ばしてね」。
先生のアドバイスを受けた山本さんは、
すっと姿勢を正し、品のある姿を見せた。
「先生が気さくで、でもレッスン中はメリハリがあって。
〝茶道〟に対する壁が消えました」と、
山本さんは凛とした笑顔で語った。
~上海ジャピオン9月09日号