水滸巡礼~108の足跡~林冲(りんちゅう)

天下無双、梁山泊の雄

林冲(りんちゅう)
ゆかりの地 河南省開封市
あだ名 豹子頭
職業 騎兵軍隊長
宿星 天雄星

河南省開封市出身で、
もと朝廷の武術師範。
入山後は、
騎馬軍の要として活躍し、
五虎大将のひとりに数えられる。
槍棒の名手で、
楊志(ようし)や
呼延灼(こえんしゃく)など、
名だたる豪傑と互角に
渡り合う腕前をもつ。

 

梁山泊に豹子頭あり
比類なき武をもつ猛将

林冲は、もと東京開封府(河南省開封市)
近衛軍の武術師範。
槍棒術で彼の右に出る者はなく、
約4㍍以上もある
「蛇矛(だぼう)」という武器の
扱いにも長けていた。
あだ名の「豹子頭」とは
「豹のような顔」を表し、
作中では、蛇矛を荒々しく振る
身丈188㌢の巨漢として描かれ、
その風貌は三国志の名将、
張飛を彷彿とさせる。

 

 

魯智深(ろちしん)も訪れた大相国寺。
仏教寺院として、555年、建立された

 

林冲は、開封府で妻と
穏やかに暮らしていた。
しかしある日、妻を
上官の高俅(こうきゅう)の養子に
横恋慕されてしまい、
林冲はこれを阻止しようと試みたが、
養子を想う高俅の罠で、
流刑に処された。
流刑地に向かう道中、
何度も命を狙われるが、
友の助けを借りながら何とか生き抜き、
最後は梁山泊に辿り着く。
当時の梁山泊には王倫(おうりん)なる
首領がいたが、
林冲は彼の狡猾さに耐え切れず、
殺害してしまった。
そして時を同じくして梁山泊に
流れ着いた、晁蓋(ちょうがい)を
頭領に推薦。
入山後は晁蓋、宋江のもと、
騎馬軍の主力として第一線で活躍。
祝家荘の戦いで、
女傑・扈三娘に格の違いを
見せつけて捕縛し、
秦明(しんめい)軍との戦では、
副将の郝思文(かくしぶん)を破るなど、
数々の武功を立ててゆく。

 

北宋東京城遺跡。
北宋時代(960~1127年)の首都であった
開封府を再建したもの 

 

林冲が籍を置いていた
東京開封府(現・開封市)。
かつて汴州と呼ばれた同市は、
北宋時代は首都として栄え、
その繁栄ぶりが、
絵巻物の「清明上河図」にも描かれている。
市には、北宋東京城遺跡や包公祠、
大相国寺など、多くの観光名所があり、
観光客で賑わう。
林冲は開封府を去った後、
活気溢れるこの街で、
妻と幸せに過ごした日々を、
たびたび回顧していたという。

 

アクセス
①上海虹橋空港から空路にて
鄭州新鄭国際空港まで約2時間
②上海虹橋駅から開封駅まで
高速列車で約6時間半、
2等席233元、1等席372元


~上海ジャピオン2012年11月9日号

 

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