山に囲まれた西峡県
オレはウルフ。ロードバイク好きの留学生。中国の国道を自転車で旅してるんだ。
南陽を出発して100㌔も来たかな、西峡県に入ったぜ。ガイドブックによれば、ここは春秋戦国時代の政治家であり、詩人でもあった屈原(くつげん)の生まれ故郷なんだってさ。
屈原が世を儚んで川に身を投げた後、彼を慕っていた民衆が竹筒に包んだ米を供えて、これが端午節に食べるちまきの起源だってエピソードが有名だよな。こんな山地の生まれだったのか。
西峡県は面積約3400平方㍍のうち、森林が80%も占めるんだってよ。確かに山ばっかりだけど、一番大きい伏牛山はかなり険しそうだ。自転車じゃ登れそうもないな。
緑が多いからか、この辺の名産は漢方の材料になる植物がとキウイ。ちょうど小腹も空いたし、ちまきとキウイで休憩! 長距離走行に、炭水化物と糖分の摂取は必須なんだぜ。
陝西省の関門・商洛
さあ、西峡県を過ぎたらいよいよ陝西省商南県。武関隧道は1㌔くらいか、トンネルを走るのは初めてだな。これを抜けると商洛市だ。
「鳳凰古鎮」の町並みや「柞水鍾乳洞」があって、山水風景が美しい地なんだぜ。
もう200㌔も走って疲れたし、今日はこのままホテルに直行して、明日は「金絲大峡谷国家森林公園」をツーリングでキマリ!
自転車じゃ麓にある公園の入り口までしか行けないけど、途中に見える田園や段々畑がキレイだって噂なんだ。名物の「商洛柿餅」で、しっかり糖分を摂ってから走るとしよう。
もう312号も中盤。さあ、次の街を目指してゴーイングハイウェイ!
~上海ジャピオン2015年3月6日発行号