食道をゆく 第13回 揚州炒飯

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ヤンジョウチャオファン
揚州炒飯
~江蘇省揚州市~

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ローカル食堂では約8元程度で売られている揚州炒飯

五目チャーハンの原型
後付で入った豪華食材

 日本の「五目チャーハン」の原型とされる「揚州炒飯」。
中国全土で見かけられるポピュラーな炒飯だ。
揚州以外の地域では、具材は一般的に卵、青ネギ、ハム…とごくシンプル。
しかし本場の揚州では、金華ハムに干しナマコ、
エビなどの豪華食材が細かい規定に基づいて配合されており、
少しでも欠けていると、それは揚州炒飯ではないとされるのだ。
その由来については様々な説があるのだが、一説によると、隋の時代まで遡る必要があるという。
 隋の第2代皇帝である煬帝(ようだい)。
彼が好んだとされる「砕金飯」(金のかけらのような飯)は、ご飯の粒が卵とからまり、
炒めると金色の粒になることから、このように呼ばれていた。
これが今の揚州炒飯の原型とされるのだが、これはいわゆる卵チャーハンで、
豪華食材が入り揚州炒飯と名前がついたのは、清朝時代の話となる。

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揚州の観光メインとなる痩西湖は、杭州の西湖のように美しく、西湖よりも細長いことからこの名前がついた

 清の第6代皇帝・乾隆帝が巡視で揚州を訪れた時、ある農村で食事を所望した。
突然のことに農民は、残り物のご飯を卵とネギと一緒に加えて出した。
名前を尋ねられたが、あり合わせのものに名前があるはずもなく、適当に「揚州の炒飯です」と答えた。
その後、宮廷に戻った乾隆帝がもう一度食べたいと言い出し、さすがに卵とネギではどうかと考え、
豪華食材を加えた今の揚州炒飯が出され、この名前が定着したという。
 中国全土に溢れてはいるものの、豪華食材の入った本物の揚州炒飯は揚州でしか食べられない。
値段は1皿20元程度だ。
この揚州炒飯を食べるためだけの旅に出てみるのも悪くないかもしれない。

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【アクセス】
上海南駅から揚州駅まで、空調快速で約5時間、63元~

~上海ジャピオン11月13日号より

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