1.海からの贈り物
空から海を眺めた時に、沖から陸に向かうにつれて、濃い藍色から宝石のようなエメラルドグリーンに色が変わってゆく様を見たことがあるかな? 海南島の海はまさにこれ。島の人たちは、このきれいな海からたくさんの贈り物を貰っているんだ。
「三亜三珍」とは、この海からの贈り物のひとつで、海南島一の観光地・三亜市特産である3つの珍味のことなんだ。黒くうねうねしたナマコ、こりこりした食感のアワビ、そして高級食材のフカヒレ。街にはこれらを食べさせてくれるレストランが並んでいるよ。私も捕りたて食材に、舌鼓をうちに行きたいな。
2.リー族の結納品
遠い昔からずっと海南島に暮らしてきた、リー族という少数民族。彼らにはとてもユニークな習慣がたくさんあるんだ。特に結婚に関しては、多くの伝統儀式が行われているよ。
リー族の結婚にはいろんな制約があって、「好きだから結婚!」なんてことはできない。例えば、男性は愛する女性と一緒になるために、女性の両親のもとへ4回も挨拶に通わなければいけないんだ。そしてそのときの贈り物として必要なのが、リー族みんなが大好きなビンランと呼ばれる嗜好品。これは椰子の樹に似た樹になる、緑色をした小さな実なんだけど、石灰と一緒に噛むと口の中が真っ赤になるんだ。でもこのビンラン、青臭いうえ渋みが強すぎて、日本人の味覚にはちょっと合わないかもね。
3.冷たい?熱い?
海南島では地震が度々あるんだけど、それは島が火山帯にのっているからなんだ。でもこの火山のおかげで、日本人の大好きな温泉が小さなこの島に約300カ所もあるんだよ。
海南島の温泉地区は大きく分けて五つ。海南島の省都・三亜市から最も近い南田温泉が一番有名だけど、中北部に世界でもとっても珍しい温泉がある。それが冷熱温泉だ。40℃前後の冷たい温泉と90℃にも達する熱い温泉が隣り合わせて沸いているという不思議な温泉なんだ。この温泉は数百年前からずっとあって、ここを取り囲む公園内の石碑にも、この温泉を歌った明代の句が残っているんだよ。歴史を感じながら、温泉につかってみるのもいいね。
河北省ってどんなとこ?
中国の最南端に位置し、ハワイとほぼ同緯度で中国一の長寿地域。海南島一の観光地、三亜市の空気の質は世界で2番目。
【人口】835.88万人
【面積】約3万4千km2
【省都】海口市
【民族の割合】漢族82.7% その他民族17.3%
【平均寿命】72.92歳
【都市部平均年収】15,742元,(約236,130円)
【農村部平均年収】3,256元(約48,840円)
■次回予告■重慶市
①名物・熱乾麺はどうして生まれた?
②坂道を行く、「棒棒軍」てなんのこと?
③山あいに建設中の世界最大のものって?
~上海ジャピオン5月18日発行号より