タクシーを求めて
バブル期には〝花の金曜日〟などと謳われた週末の夜、空車タクシーを求めてさまよい歩いたこと、誰しも1度や2度はあるだろう?
しかし! タクシー配車アプリが登場して早3年余り、その便利さは留まることなく進化を続け、一般市民のニーズを敏感に察知しアップグレードを重ねてきた。
安定性も確保され、今やスマホユーザーのほとんどがアプリをインストール済み、道端で青ランプが点灯した空車を探すことも、待ち時間もなく便利に使っているな。
配車アプリの歴史
ところで、タクシー配車アプリがこれほど進化するまでに、様々な障害があったのを知っているか?
まずはオレと一緒に、配車アプリの変遷についておさらいしてみようじゃないか。
時を遡ること3年、2012年6月の上海ジャピオン特集「生活の裏ワザ」によれば、市内2カ所のホテルロビーに「タクシー呼び出し機」なるものが設置されたんだ。
開発した「強生」はその年のうちに40~50台まで増やす予定だったが、うまくいかなかったようだな。
最初に設置された静安区の「上海ヒルトン」に聞いたところ、今でもロビーにあるにはあるが、宿泊客はフロントに頼むためほとんど使われないそうだ。
また同じ特集で紹介された「大衆」と「強生」のスマホ用アプリも、当時Android版しか開発されていなかったうえ、普及するまでに至らなかった。
その後生まれた数々のアプリは、前述の「大衆」や「強生」などタクシー会社自ら手がけたものもあれば、IT企業やソフト開発業者が作ったものも。
「滴滴打車」や「快的打車」を始め「出租通」、「大黄蜂打車」などなど、13年5月時点でアプリの総数は11件、インストール数はなんと100万回を超えたんだぞ。
生き残り2大アプリ
さてさて、そんな多数のアプリの競争を経て今、最多利用率を誇るのは「滴滴打車」と「快的打車」の2件。
両者はすでに合併したが、それぞれ個別に利用できる。次ページからは、中国語に自信のない人、IT方面に弱い人のためにオレが使い方を詳細に説明しよう。
まずはラクラク登録
とにもかくにも、登録をしなければ始まらない。まずは、アプリのインストールから始めよう。
「快的」と「滴滴」は使い方がほぼ同じなので、今回は「快的」で説明するぞ。まずはスマホ上のストアでアプリを検索し、ダウンロードするんだ。
アプリを開くと個人情報の入力画面が表示されるから、地域は「中国大陸」を選択して携帯電話番号を入れる。
次に淘宝アカウントの入力画面が表示されるが、不要なら左上の「関閉」をタップ(指でポンと触ること)しよう。
ただし、淘宝アカウントでログインしておくと、支付宝での支払いがスムーズになるぞ。そして「昵称(愛称)」を入れたら登録完了だ!
女性は音声がオススメ?
登録して最初に使う時は、ちゃんとガイドが出るぞ。
現在地は、GPSをオンにしておけば自動的に割り出してくれるから、先に設定しておけよ。
タクシーを呼ぶには、上の入力バーに行き先を入力するか、もしくは下のマイクをタップしたまま音声で録音するかの2つの方法がある。
読み書きが得意か苦手か、またその時の状況に合わせて選ぶといいだろう。
ちなみにオレの友人は、運転手がかわいい女子を乗せたいだろうと想定して、猫撫で声で吹き込むんだとよ。まったく、賢いと言えば賢いが、世も末だよな。
現在地を明確に伝える
タクシーが捕まったら、画面に「你被搶単了!」と表示される。
人が多く、運転手がキミを見つけにくい場合は電話で連絡できるから「全家前面(ファミマの前)」とか「在路口的東辺(交差点の東側)」と指示するといいぞ。
乗ったら下の「巳上車」をタップしろ。支払いは支付宝なら金額を入れて支払い画面へ、現金の場合は右上の「現金支付」をタップだ。
お得なキャッシュバック
何度かアプリを使用していると、お得な特典が受けられるってこと、知ってたかい?
使うごとにポイントが貯まって、乗車賃の支払い時に使える割引券やネットショッピング、その他商品券にも交換できるんだ。
乗車賃の割引券はSMSで通知されるから、アプリを開いた画面左上のメニューから「快的銭包」↑「我的代金券」で確認するといい。
しばらく使わずに放っておくと、オレみたいに期限切れになるから気をつけろよ…。
「積分(ポイント)商城」からは、ポイントに応じて商品・金券と交換できるんだ。
ここでもポイントを乗車賃の割引券に替えられるが、1元=150ポイント、3元=300ポイント、5元=800ポイントと還元率が異なるのが不思議なところだ。
豪華車両も呼べる
アプリでもなかなかタクシーが捕まらない時、「小費(チップ)」をプラスしている人も多いだろう。
しかし実は、乗車賃以外の金銭のやり取りは条例で違反行為とされているんだ。つまり、乗ってからチップを断ってもいいんだが、まあもめ事は避けるに越したことないよな。
ともかく、なかなかタクシーが見つからない時にオススメしたいのが、個人車両を利用したハイヤーサービス「UBER」だ。
アメリカの会社で、中国11都市を含む世界300都市で展開している。
ドライバーは一般人だが、運転歴10年以上に無事故無違反歴など厳しい審査を潜り抜けてるんだぞ。
車両は4タイプあって、ゆったりできる高級車もある。
さあ、これでキミもアプリマスターになろう!
~上海ジャピオン2015年6月26日発行号